大飯3号機の原子炉容器出口管台溶接部に深さ約20mmものくぼみを残したままでの原子炉起動に抗議する

大飯3号機の原子炉容器出口管台溶接部に
深さ約20mmものくぼみを残したままでの原子炉起動に抗議する

関電の安全軽視は、ぬぐいがたく染みついた根深い体質

抗   議   文

関西電力(株)社長 森 詳介 様

2008年11月6日

 昨日午後9時に、原子炉容器出口管台溶接部に大きなくぼみを残したままで大飯3号機を起動したことに、強く抗議します。
 原発の心臓部である原子炉容器出口管台で、深さ約20mmにも及ぶ応力腐食割れが見つかったのは、国内原発では初めてのことです。当初貴社は、傷の深さを「傷の深さが評価できない非常に浅いもの」と評価するなど、現在の検査機器の性能がいかに低いものであるかも明らかになりました。さらに、傷の補修方法が確立していないことを理由に、くぼみを残したままで運転を再開するという姿勢は、相も変わらず、安全性を軽視し、経済性を最優先させる貴社の風土そのものです。
 くぼみ部分の肉厚は当初の74.6mmから53.6mmになり、技術基準で定められている必要肉厚(53mm)までわずか0.6mmしかありません。インコネル600部材での応力腐食割れは、新たな研究等により、当初予想されたより傷の進展速度が速いことなどが明らかになっています。11ヶ月の運転によって、0.6mm以上傷が進展する可能性は十分予想されます。そうなれば、「技術基準適合」を満たすことはできず、法律に違反することとなります。ところが貴社は、「技術基準を割り込んだからといってすぐに問題になるわけではない」、「判断するのは保安院」等の発言を繰り返しています。このことは、5名もの死者を出した美浜3号機事故後に、「コンプライアンス、コンプライアンス(法令順守)」と繰り返してきた貴社の言葉が全く信用できないこと、貴社のぬぐいがたく染みついた安全軽視の姿勢が、根深い体質であることを改めて示しています。
 このような危険な運転再開と貴社の安全軽視の姿勢には大きく不安が広がっています。大飯3号機の原子炉起動に抗議し、即刻運転を停止することを要求します。

2008年11月6日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581