「計画的避難区域」の年間被ばく線量20ミリシーベルトと、 福島県内の学校の放射線被ばく安全基準についての質問書

「計画的避難区域」の年間被ばく線量20ミリシーベルトと、
福島県内の学校の放射線被ばく安全基準についての質問書

子どもの年間被ばく限度は20ミリシーベルトなのか

原子力安全委員会 御中
文部科学省 御中

 政府は、「計画的避難区域」について、年間被ばく線量を20ミリシーベルトと設定し、それ以下の場合は避難の必要なしとする見解を示している。
今回、福島県内の学校の放射線被ばく安全基準について、内閣府原子力安全委員会は4月13日、年間の累積被ばく放射線量について「子どもは10ミリシーベルト程度に抑えるのが望ましい」との見解を示し、10ミリシーベルトを目安とするよう文部科学省に伝えたと報道されている。この経緯について原子力安全委員の代谷誠治委員は記者会見で、「校庭で土壌から巻き上げられた放射性物質を吸い込み、内部被ばくする場合のあることを考慮すべきだ、少なくとも大人の半分をめざすべきだ」と述べた。

  1. 文部科学省は、子どもにも一般成人と同じ20ミリシーベルトの年間被ばく限度を適用するという見解なのか。
    そうであれば、その理由と根拠を示すこと。
  2. 子どもの放射線にたいする感受性は成人よりも高く、より厳しい基準が必要である。文部科学省としては、子どもについて、どの程度考慮すべきと考えているのか。
  3. 安全委員会は、「計画的避難区域」の年間被ばく限度20ミリシーベルトという見解を示している。
    �この見解は、安全委員会としていつ発表したのか、その文章を示すこと。
    �この見解の根拠を示すこと。
    �「計画的避難区域」について、子どもの被ばく限度に関する設定はあるのか。
  4. 安全委員会の代谷誠治委員は、「子ども10ミリシーベルト」について、個人的見解とも述べている。これは個人的見解なのか、安全委員会としての見解なのか。
    安全委員会としての見解であれば、この見解をどのように文部科学省に伝えたのか。文章があれば示すこと。
  5. 文部科学省が示した、子ども20ミリシーベルトの被ばく限度は撤回し、少なくとも現行の1ミリシーベルトを維持するべきではないか。

ところがその後、文部科学省は4月14日の参議院文教科学委員会で、「基準は20ミリシーベルト」と答弁した。また、4月15日の閣議後の会見で高木文部科学大臣は、「目標は20ミリシーベルト」と語り、子どもの年間被ばく限度も一般人と同等に扱うとしている。

2011年4月15日

福島老朽原発を考える会
東京都新宿区神楽坂2-19 銀鈴会館405 共同事務所AIR TEL/FAX 03-5225-7213
グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581