プレスリリース:関西電力 原発停止による発電能力見込みについて

【プレスリリース】
2012年3月23日

関西電力 原発停止による発電能力見込みについて

グリーン・アクション(代表 アイリーン・美緒子・スミス)は3月23日に関西電力株式会社に対して、原発停止による発電能力見込みについての10項目からなる公開質問状を提出いたしました。(文書回答期限4月6日を要請)
これは、2月20日に関西電力の大飯原発2基が定期検査に入ったことを受けて、「原発が再稼働できなければ、電力が今夏25%不足するとの試算もある」との発表に対するものです。
グリーン・アクション(GA)の計算によれば、原子力が全停止しても電力不足は発生しないという結果になっています。質問状は、関電の発表内容に疑問を投げかける内容となっています。
関電は情報を十分に公開しておらず、電力不足を誇張して、市民、企業に不安を与えています。
以下は関西電力の発表の問題点とグリーン・アクションのコメントです。

(1)情報公開が不十分
一部の公式データのみを用いており、情報公開がされていません。

(2)発電能力が低く設定されている 
2012年の夏の発電能力を2353万kWとしていますが、原発を除く昨年実績2728万kWに比べて、375万kWも低く設定されており、予想される原発全停止を想定しての電力量確保の計画も示されていません。資源エネルギー庁が推奨する卸・IPP・自家発電の活用拡大も織り込んでいません。

(3)最大需要が高く設定されている 
関電は、2012年の最大需要を3138万kWと想定していますが、過去5年間に3095万kWを超えたことはなく、過大な設定になっています。昨年の最大需要実績は2785万kWでした。

(4) 電力不足を誇張して報告している 原発が全停止しても、電力不足は発生しない
グリーン・アクションの計算では、2012年の最大需要見込みは2949万kW、発電能力は原発が全停止の場合でも3051万kW以上が可能であり、電力不足は発生しないことになります。

2012年最大需要予測 発電能力 需要・能力差
関西電力 発表/資料 3138万kW 2353万kW ▲785万kW(25%不足)
グリーン・アクション 計算 2949万kW 3051万kW +102万kW(3.5%余裕)

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公開質問状 質問リスト(PDF)

公開質問状:関西電力 原発停止による発電能力見込みについて(PDF)