関西電力宛の質問書 不合格になったペレットの方がかえって安全という国の見解に関する質問
MOX燃料ペレット不合格問題−−自主検査項目の「全不純物総量」
不合格になったペレットの方がかえって安全という国の見解に関する
関西電力への質問書
関西電力(株)社長 森 詳介 様
2009年10月20日
貴社は、8月19日にプレスリリースしたMOX燃料ペレット不合格問題に関する自主検査項目などについて、国に報告したとのことでした。また、自主検査は国の検査より高度な基準で行われているものだとの趣旨でした。
そこで私たちは、国の見解を確かめるために、10月7日に近藤正道参議院議員のヒアリングの場で原子力安全・保安院の原子力発電検査課の石垣宏毅・総括安全審査官及び百瀬孝文・施設検査係長と質疑応答を行いました。
そのとき検査課は、不合格が発生した当該検査項目が「全不純物総量」であることを前提にして考えを説明しました。その基本的な考えは、自主検査は燃料の効率的燃焼のために行われていること、データが設定した範囲を逸脱した方が安全側に働くというものでした。安全側に働くという意味は、不純物が多い方が燃えにくくなり、燃料の中心温度が上がりにくいからだとの説明でした。このことは、不合格になったペレットの方が、かえって安全だという見解でした。
このような国の考えを踏まえて、以下の質問を行います。
自主検査は、貴社の自主的な判断のもとに行われています。貴社の考えを示してください。
- 貴社は自主検査を、安全性のためではなく燃料の効率的燃焼のために行っていると考えていますか。
- 「全不純物総量」が限度を超えた方が安全側に働くと考えていますか。もしそうだとすれば、その理由を説明してください。
- 国の技術基準「発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令」では、不純物に関してはウラン燃料には4元素について濃度規定があります。MOX燃料には濃度規定のような仕様に関する規定はないという理解でいいですか。
- 貴社の輸入燃料体検査申請書では、不純物について40種類の元素が挙げられていますが、ASTM(アメリカ材料試験協会)の規定でもそれほど多くの元素は書かれていません。何を基準にして不純物を選んだのですか。
- ASTMの規定では、「全不純物総量」に関する上限値も記載されています。貴社は、これをもとに目標値を設定したのですか。
2009年10月20日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
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美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
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