7月9日:大津市への申し入れ高浜原発3・4号再稼働と原発事故の防災・避難計画に関する質問・要望書

高浜原発3・4号再稼働と原発事故の防災・避難計画に関する質問・要望書

大津市長 越 直美様

4月14日に福井地方裁判所が出した高浜原発3・4号運転差し止め仮処分決定[資料1]では、基準地震動の過小評価、重要施設の耐震安全性の軽視等を踏まえ、「万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる」と断じています。さらに、これらについて、新規制基準が規制の対象としていないことを問題とし、「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」「新規制基準は合理性を欠くものである」と厳しく批判しています。

大津市を含む京都府、滋賀県の5市町は、6月19日、「原子力災害対策指針(改定)に対する意見」を原子力規制委員会等に提出しました。意見書で述べられている通り、今回の改定は、UPZ圏外自治体の原子力防災・避難計画を不要としており、住民の安全を守るものとはなっていません。

しかし、関西電力は、高浜原発3・4号、大飯原発3・4号の再稼働の準備を進め、老朽化した高浜原発1・2号についても運転延長を求めるなど原発推進の動きを強めています。先の株主総会で、関電社長は原発の新増設が必要とまで述べています。

このような状況を踏まえ、大津市として、高浜3・4号の再稼働に反対するとともに、原発の安全性や原子力規制を検証する専門家による第三者機関の設置を、滋賀県や関西広域連合に求めてください。以下の質問と要望に答えてください。

【質問事項】

  1. 「原子力災害対策指針(改定)に対する意見」(以下「意見書」)について
  2. 地方自治体職員やバス運転手等の被ばく線量限度について
  3. 自然災害と原発事故の複合災害及び孤立集落の問題について
  4. 国の規制基準や原発の安全性を検証するために

 

【要望事項】

  1. 福井地裁の高浜原発3・4号運転差し止め仮処分決定を尊重し、高浜3・4号の再稼働は認められないと表明してください
  2. 「原子力災害対策指針(改定)に対する意見」における要求事項、原子力災害対策指針への「『原子力災害事前対策』をはじめ応急対策、中長期対策などについて国等の当該自治体への支援に係る必要な記述」の追加が実現されない限り、高浜原発3・4号の再稼働には反対であると表明してください。
  3. 原発事故時に避難誘導や物資の輸送などにあたる地方自治体職員やバス運転手等の被ばく線量限度の引き上げに反対してください。
  4. 避難できない孤立集落の問題がある以上、原発の再稼働は認められないと表明してください。
  5. 原発の規制基準や安全性について検証・検討するために、滋賀県、関西広域連合に対し、独自に第三者の専門家による委員会を設置するよう求めてください。

ダウンロード:高浜原発3・4号再稼働と原発事故の防災・避難計画に関する質問・要望書(PDF)