六ヶ所再処理工場「第1ガラス固化体貯蔵建屋・東棟」改造工事問題──参考資料:高レベル放射性廃棄物を貯蔵する危険な施設ですから今のやり方のように誤魔化さず、安全な温度にしてください

六ヶ所再処理工場の操業を急ぐ日本原燃と国(原子力安全・保安院)は、早くウラン試験の最終段階である総合確認試験に入りたいと考えています。しかし、それには日本原燃の設計ミスにより余分に抱えてしまった改造工事を速やかに終えなければなりません。

改造工事の設計目標の1つに「コンクリート温度65度以下」というのがあります。放射性廃棄物の中でも、もっとも高いレベルの放射性廃棄物を30〜50年貯蔵する建屋なので 耐久性(材料強度)を確保するための温度設定です。

ところが、2ヶ所だけ、どうしても「コンクリート温度65度」を超えてしまう箇所が残りました。

そこで困った原燃は「局部コンクリート温度の制限値である90度以下を満足する」というウルトラC(離れ業)を編み出しました。保安院も逸る気持ちは同じなので、それを認可してしまいました。今はその工事が進んでいます。

「コンクリート温度65度」を超えるのは下記の2ヶ所です。

1──放射線が外へ出るのを遮断する板の付け根
(正式名称:出口シャフト迷路板部)

ガラス固化体は放射線による熱を発し続けるので、長期間冷却を続けないと、自身の発する熱によって自己崩壊を始めます。この施設では通風冷却を採用していますが、その放射線を外に出しにくくするための板の付け根を指します。

  • 図:第1ガラス固化体貯蔵建屋・東棟

図:第1ガラス固化体貯蔵建屋・東棟

2──約6.5tの高レベル廃棄物収納管を吊す付け根
(正式名称:天井コンクリート収納管貫通部)

この貯蔵建屋では、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体500キロ×9本を積み重ねた収納管(総重量約6.5t)を天井から吊しており、その付け根が当該部となります。

ご覧の通り、この2ヶ所をあまり重要でない部分と見なすのは不可能です。
また、「局部」などという規定はどこにも存在しません。

保安院へ──このようなごまかしに対する認可を取り消してください
日本原燃へ──あきらかに県民を危険にさらす改造工事を即刻中止してください