腐食が発見された輸送容器と返送用容器に基本的な「構造上の違い」はない不正MOX燃料返送用の輸送容器について中性子遮へい材レジンをはがし、容器の腐食検査を徹底して行うこと

要求書

国土交通大臣 扇 千景様

BNFL社製不正MOX燃料返送用の輸送容器が、14日にも高浜港に到着すると報道されています。この輸送容器は、英国出港を急いだため、貴省の立ち会い検査ができなくなり、容器承認証を持っていない前代未聞の容器です。容器の安全性に関しては、高浜到着後に、貴省が検査を行うこととなっています。

このような中、6月7日に、フランスで保管中の関西電力のMOX燃料輸送容器に腐食が生じていたことが明らかとなりました。腐食の原因についてはなんら明らかになっていません。関西電力はプレス発表の中で、返送用輸送容器は、「構造が違う」ため「影響なし」と発表しています。なんの検査も行わない段階から「影響なし」とする関西電力の姿勢は、安全性をないがしろにするものです。

腐食が発見されたTN−12P(M)型容器と今回返送用に使用するEXCELLOX4(M)型の構造は基本的に同じであり、腐食の可能性は極めて高いと言わざるをえません。関西電力が貴省に出した申請書(EXCELLOX4(M)の安全解析)の中では、容器の構造に関して以下のように記載されています。「フィンは、本体胴外面に軸方向に等間隔で溶接され、フィン間には、レジンが充填され、中性子しゃへい体となっている。レジンの外側は、外装板で被われ、外装板はフィンに溶接されている」(輸送容器の構造(1)容器本体の項目 イ−6頁)。すなわち、返送用の容器においても放熱用フィンは本体胴に溶接されており、腐食が見つかった容器と本質的な構造上の違いは存在しません。また、材質についても、両者は同じものです。

貴省の「安全確認審査」では、返送用容器について、腐食が存在していないのかを徹底して検査されるべきです。とりわけ、東京電力が行ったように、中性子遮へい材レジンをはがした検査でなければ、サビの有無、その実際の状況は分かりません。中性子遮へい材レジンをはがし、徹底した腐食検査を行うよう強く要求します。

要求事項

1.高浜で行われる返送用輸送容器の「安全確認審査」で、中性子遮へい材レジンをはがし、徹底した腐食検査を行うこと。

2.万が一にも、腐食検査を行わない、あるいは「外観検査」「非破壊検査」しか行わないという見解であれば、その理由を明らかにすること。

3.フランスに保管中の輸送容器で見つかった腐食の原因について、具体的に明らかにすること。

上記要求事項に対して、6月18日までに文書で御回答下さい。

以上

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