電力会社の重大事故シナリオでは、避難できない 2月5日政府回答で明らかに

電力会社の重大事故シナリオでは、避難できない 2月5日政府回答で明らかに

5km圏内住民:事故発生と同時に「避難の準備」/ 20分後には避難中
30km圏内住民:炉心溶融が始まっても「避難の準備」/ 0.5mSv/hの線量確認で避難

1月29日に22市民団体の主催で政府交渉を行いました。その後追加質問を出し、2月5日付で規制庁から回答がありました。回答の中から、重大事故シナリオ時の避難問題について紹介します。
関電等の電力会社は、重大事故シナリオとして、一次系配管破断・ECCS注入失敗等を想定し、その場合に圧力容器に注水することなく、全ての燃料を炉心溶融させメルトスルーさせるシナリオを描き、それが現在審査中です。
この重大事故シナリオで、住民の避難はいつから開始するのか等について再質問しました。政府の回答からは、到底避難などできないことが明らかです。

● PAZ(5km圏内)の住民は、事故発生と同時に「避難の準備」、炉心溶融開始前=事故発生から約20分後に「避難の実施中」となります。実際には、準備も実施も不可能です。

● UPZ(30km圏内)の住民は、炉心溶融が始まっても、まだ「避難の準備」。放射線量が1時間あたり 500μSv(0.5mSv)になってはじめて、「数時間内に区域を特定し、避難を実施」。
要支援者や避難道路が使えない地区の住民は「一時屋内退避」となっていますが、いつ避難できるかも分かりません。

ダウンロード:電力会社の重大事故シナリオでは、避難できず。