緊急声明:川内原発「地元同意」

緊 急 声 明

川内原発再稼働・民意無視の鹿児島県知事・県議会の「地元同意」に抗議する
避難計画はずさんで要援護者を切り捨てている
避難施設は津波等の危険区域に設定されたままで違法状態
巨大噴火の予測は不可能との火山学会の警告も無視

2014年11月7日

本日11月7日、鹿児島県議会は川内原発再稼働賛成の陳情を可決し、伊藤知事も再稼働に同意を表明した。福島原発事故が収束の目途すら立たない中で、県内の住民説明会での反対意見、いちき串木野市での住民の過半数を超える署名、周辺自治体からの再稼働反対・廃炉決議等に示された、多くの県民の反対の声を踏みにじる行為に強く抗議する。

 避難計画は、実効性がなく、住民の被ばくを避けることはできない。要援護者の避難先さえ決まっていない。さらに、一時避難場所や避難所の一部は、津波等の危険区域に指定されたままであり、住民の安全を守ることはできず、4月に改正された災害対策基本法等に違反した状態のまま放置されている。重大事故時に、避難先がないという事態を招きかねず、住民の安全を守ることはできない。

 日本火山学会は11月3日、巨大噴火の予測が可能であることを前提にした原子力規制委員会の火山影響評価ガイドの見直しを提言した。火山学会原子力対応委員長は、川内原発の火山審査についても批判している。九州電力は鹿児島県議会において、巨大噴火の前兆は数十年前に現れ、核燃料の搬出に十分に間に合うとの見解を根拠なく示し、伊藤知事もこの説明を受けて、火山リスクは問題がないとしていた。しかし、この見解は、火山の専門家による科学的知見とはかけ離れたものであり、これを鵜呑みにしては、県民の安全を守ることはできない。
 川内原発の保安規定の審査は続いている。モニタリングや核燃料搬出方針など具体的な検討はまだこれからである。原子力規制委員会は、火山学会の提言を受け止め、川内原発の審査を止め、火山ガイドの見直しに着手しなければならない。

 このような状況であるにもかかわらず、安全性を軽視し、民意を踏みにじる再稼働同意は許されるものではない。
 鹿児島・九州・全国の運動が一層連携して、川内原発の再稼働を止めよう。

2014年11月7日

反原発・かごましネット/避難計画を考える緊急署名の会(いちき串木野市)/原発避難計画を考える水俣の会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/グリーン・アクション/グリーンピース・ジャパン/福島老朽原発を考える会/FoE Japan/原子力規制を監視する市民の会

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