緊急抗議声明:6月10日の大飯原発評価会合結果をうけて

緊 急 抗 議 声 明
6月10日の大飯原発評価会合結果をうけて

−福島原発事故の教訓をないがしろにする規制委員会−
基準地震動を決めずに、施設等の耐震安全性確認に進むなど許せない
3連動を前提に、最も厳しい条件で、基準地震動を策定すべき

 本日(6月10日)、大飯原発の評価会合が開かれたが、肝心の基準地震動の策定については、わずか10分の議論だけで、実際はテーマにもならなかった。基準地震動を何ガルとするのか、全く不明なままで会議を終了し、明日から、施設・機器の安全性評価を開始するという。私たちは、このようなでたらめなやり方に強く抗議する。
関電は、3連動を「仮定して」、アスペリティの位置を原発近くに置いた2つのケースを示し、いずれも2連動の基準地震動Ss−1(700ガル)以下になったと結論づけた。
 しかし、関電が示したのは、アスペリティの面積を前回と同じにして、位置を移動させただけで、これまでどおり活断層の上端深さは4�のままだ。規制委員会が求めていた、活断層の上端深さを3�として安全側で評価することや、中越沖地震の教訓を踏まえた、短周期の揺れを1.5倍にした場合などの評価は一切出していない。今回は「評価用地震動」がいくらなのかさえ示さなかった。

 これらに対して、規制庁からはなんら具体的な批判はなかった。最後に島委員長代理が、「短周期を1.5倍したケースで大きな数字が出ていたので、その周期帯のものは耐震安全性の確認を」との趣旨を述べただけだ。 今回の大飯評価会合は、新基準との適合性を判断するために開いたはずだ。規制委員会が冒頭から述べていた「3連動を基本に、基準地震動を策定する」は、一体どこにいってしまったのか。
 さらに関電は、3連動を否定するために、新たな資料を提出した。関電は、中田高名誉教授や渡辺満久教授の見解を否定した。規制庁は当人たちの批判・見解を同時に聞くべきだが、それもしなかった。

 審議のやり方は、関電の説明をただ聞くだけで、規制庁側からの専門的で批判的な具体的指摘はほとんどない。規制委員会は、自らが基本姿勢として要求していたことを関電が無視しても、それについて何も言わず、審議が進められる。これでは、関電のいいなりではないか。

規制庁の小林管理官は今日の議論で、「明日から施設の耐震安全性評価が始まる。時間がない」などと、スケジュール優先の姿勢を露骨にした。これが福島原発事故の教訓を踏まえた安全規制といえるのか。

まず、出発点である、「3連動による基準地震動」を、安全側にたって最も厳しい条件で設定すべきだ。そして、すべての周期で、あらゆる「不確かさ」等を考慮した場合の揺れを包絡し、さらに余裕をもたせた包絡線によって策定すべきだ。
 これらなしに、施設・機器の耐震安全性評価に進むことは許されない。

福島原発事故の教訓をないがしろにするこのような規制委員会では、原子力規制に対する市民の信頼を得ることなど、とうていできるものではない。

2013年6月10日

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