関電高浜3・4号機プルサーマルに関する追加質問書と回答(12月16日)
グリーン・アクションと美浜の会は2008年12月16日、関電と交渉をしました。
以下、関電の回答の要約です。メロックス社の製造能力
2001年に製造を中止したメロックス社のMOX燃料 「品質保証に問題ないと今でも考えている」 「MOX燃料が製造された事実が、製造能力を確認する根拠となる」保安院の立入調査
「目的はメロックス社を直接調査することではないと保安院に確認している」MOX燃料の製造開始時期を「二次混合から」としたこと
「保安院は、加工開始はパレット成型時点からとしている」 「申請書提出(11月10日)から30日以内に保安院からコメントは来ていないので法的にはMOX燃料の製造を開始できる」
質問書と回答
関電高浜3・4号機プルサーマルに関する追加質問書と回答(12月16日)
関西電力(株)社長 森 詳介 様
2008年12月10日
貴社は11月10日に高浜3・4号機のMOX燃料輸入燃料体検査申請書を国に提出しました。それに関連して追加質問書を提出します。12月16日の交渉の場で回答してください。
1.「高浜発電所3・4号機 輸入燃料体検査申請書」の添付書類6「品質保証の計画に関する説明書」の内容について
(1)メロックス社の評価について
貴社は、メロックス社にMOX燃料製造能力があることの根拠として、2001年に加工を中断したメロックス社でのMOX燃料製造をあげています。
この加工中止に際して、貴社は2001年12月26日のプレス発表で、「当該MOX燃料の品質に問題はないとする当社主張が受け入れられない旨の経済産業省の回答は、原子力安全規制行政を担う官庁としての最終のご判断と受け止めました」と表明しています。
a.これは、当時メロックス社で製造したMOX燃料の品質に問題はないとする主張が容認されないことを、貴社が認めたと理解していいですか。
(関電:回答)保安院が当社の品質保証活動に対して輸入燃料体検査の要求事項を満足することが確認できないと判断したものであり、メロックス社のMOX燃料製造能力に問題があったわけではないと考えています。
b.2001年にメロックス社でのMOX製造を中止した理由は何ですか。
(関電:回答)輸入燃料体検査を合格とすることはできないとの保安院の判断を受け、MOX燃料の加工の中止を決定しました。
c.なぜこのときのMOX燃料製造を、メロックス社の製造能力の根拠にできるのですか。
(関電:回答)1999年から2001年にかけて、原燃工の指導の下、メロックス社にて原燃工仕様のMOX燃料が製造されたのは事実であることから、メロックスのMOX燃料製造能力を確認する根拠になると当社は考えています。
(2)保安院の立ち入り調査に関して
申請書の6−6頁「3.2.4 製造状況等の確認について」の項目で、「規制当局の立ち入りについては、必要に応じて規制当局が原燃工およびメロックス社に立ち入り、当社の品質保証活動の妥当性について調査を行うことができることを契約書に定めている」となっています。この内容では、規制当局がメロックス社に立ち入っても、実施するのは貴社の品質保証活動の調査に限られており、メロックスを直接調査できる内容にはなっていません。
しかし、2000年7月14日付の国の通達「電気事業者及び燃料加工事業者の品質保証に関する確認事項について」では、「電気事業者は、規制当局が必要に応じ、元請け企業及びMOX燃料加工事業者に立入り、調査を行うことができる旨、元請け企業及びMOX燃料加工事業者が定めていることを確認すること」ということが明記されています。
a.申請書の内容は、国の通達を満たしていないのではないですか。
(関電:回答)保安院のメロックスへの調査は、当社のMOX燃料調達に関する品質保証活動を確認することが目的であり、メロックスを直接調査することではないと確認している。また、本年11月に申請した輸入燃料体検査申請書では、「規制当局の立ち入りについては、必要に応じて規制当局が原燃工およびメロックス社に立ち入り、当社の品質保証活動の妥当性について調査を行うことを契約書に定めている」(添付書類の6の3−2−4)としている。このことにより、保安院がメロックス社に立ち入り、必要な確認を行うことは可能であり、国の通達を満足するものと考えている。
(3)「二次混合から」を「製造期間」としていることについて
申請書では、「製造期間」を「製造期間(メロックス社での当社向けMOX燃料集合体のための二次混合開始から全燃料集合体の組立後の検査完了までの期間)」(申請書6−6頁)と定めています。メロックス社でのMOX燃料製造方法は、MIMAS方式で、貴社のプルトニウムが使用されるのは一次混合からです。これでは、国が要求している「製造期間を通じた・・・製造状況及び品質保証活動についての確認」は、二次混合開始からとなります。
a.なぜ、「二次混合開始から」なのですか。製造期間を「一次混合開始から」としないのはなぜですか。
(関電:回答)保安院は加工開始はペレット成型時点としており、当社はペレット成型の前段階である二次混合から当社要員を派遣する計画であり、国の通達を満足すると判断している。
b.申請書では、「原燃工の品質保証について」の項目では、「顧客の所有物である二酸化プルトニウムについて、MOX燃料集合体の発注先における管理を確実にする」と書かれています(6−68頁)。二次混合開始から品質保証活動等を確認する場合、一次混合で使用される顧客=貴社のプルトニウムの管理はどのように実施するのですか。
(関電:回答)MOX燃料加工において、当社からメロックスに支給したプルトニウムは原燃工とメロックス社との契約に基づき、メロックス社が管理責任を負っている。また、当社および原燃工は監査においてメロックス社におけるプルトニウムの管理が適切であることを確認しており、メロックス社でプルトニウムは適切に管理されると考えている。輸入燃料体検査の要求事項である加工期間を通じた要員の派遣は、MOX燃料の製造状況等の確認のためであり、プルトニウムの管理のためではない。
2.輸送容器とその安全性について
(1)フランスからMOX燃料を運ぶ輸送容器について
貴社の輸送容器の型はTN−12P(M)で、2006年6月28日に原燃輸送が「放射性輸送物設計承認申請」を提出し、同年8月21日に国から承認されたとのことです。この輸送容器について、
a.この容器の製造番号を示してください。
(関電:回答)原燃輸送より容器承認申請を行ったTN−12P(M)型輸送容器の製造番号は以下の通りであると聞いている。
TN12/2−253
〃 −254
〃 −255
〃 −256
〃 −257
〃 −258
〃 −259
〃 −264
b.申請書はどこで公開されているのですか
(関電:回答)原燃輸送より放射性輸送物設計承認申請書は公開されていないと聞いている。
c.申請書の添付書類である輸送物安全解析書はどこで公開されているのですか
(関電:回答)原燃輸送より輸送物の安全解析書は公開されていないと聞いている。
d.この容器の容器承認申請はいつですか。承認されている場合は、承認された日と容器承認番号を示してください。
(関電:回答)原燃輸送よりTN−12P(M)型においては、平成18年8月22日に7基の容器承認申請を行い、平成18年11月21日に1基の容器承認申請を行い、平成20年12月1日現在5基について容器承認を取得しており、その承認日と承認番号は以下の通りである。
H20.3.26 MS213B(M)F
〃 MS214B(M)F
H20.6.3 MS215B(M)F
〃 MS216B(M)F
〃 MS217B(M)F
2008年12月10日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581