抗議声明:関西電力の高浜3号用MOX燃料輸送強行に抗議する

抗議声明

関西電力の高浜3号用MOX燃料輸送強行に抗議する


関西電力は本日(4月18日)、MOX燃料の輸送を強行した。私たちはこれに強く抗議する。関電は、福島原発事故によって延期されていた高浜3号機用MOX燃料がフランスを出航し、輸送ルートは喜望峰/南西太平洋ルートで日本到着は6月後半とだけ発表し、MOX燃料の総量や品質等の情報は全て非公開のままだ。

今回の輸送に対し、既に反対抗議が起こっている。フランスではパリにあるアレバ社の周辺で日本の市民が抗議のビラを配り、輸送船が出航したシェルブールでは、地元住民を含む市民、環境団体、反原発団体が輸送に抗議した。

これまで70カ国以上にものぼる国からこのような日本の核輸送に対し、抗議声明や輸送船の近海通過拒否等の強い抗議が示されており、その中に今回選ばれた輸送ルートの沿線諸国が多くある。今まで南アフリカ共和国、南大平洋フォーラム、フィージー、バヌアツ、ニュージーランド、ミクロネシア連邦、ソロモン諸島などの国々、また議員、市議会などが繰り返し強く抗議してきた。「南太平洋諸国の人々は日本のMOX燃料輸送に反対し続けてきた。これらの船舶もしくは貨物がいかなる事故に遭遇しても、輸送ルート近隣諸国の環境と住民に壊滅的な結果をもたらしえる」と抗議を表明してきた。

日本政府と電力会社は、これら沿線諸国に対して、一度も誠実な対応を示したことはない。輸送ルート諸国から事前了解を得ることもせず、核輸送の安全性を確認するための環境アセスメント等も行っていない。危険で傲慢なプルトニウム輸送(今回はプルトニウム900kg以上が入っているMOX燃料)をまたも強行した。

関電は、MOX燃料に関する品質データを一切公開していない。私たちが求めた、ペレット寸法、プルトニウム含有率、核分裂性プルトニウム富化度、不純物含有率などの情報を公開しないまま輸送に踏み切った。1999年の英国BNFL社製MOX燃料データねつ造事件、2009年にはアレバ社製MOX燃料4体の廃棄処分など、これら過去の不正事件等を反省するのであれば、今回のMOX燃料について、十分な情報が公開されてしかるべきだが、これも行っていない。

福島原発は、手の着けようのない汚染水処理の解決に見込みもない状況にある。このような中で、MOX燃料輸送を行うとは、あまりにも福島原発事故を軽視するものだ。ましてやMOX燃料の使用に関して、関係自治体・市民の納得はない。MOX輸送を開始することは、高浜原発防災区域内にいる市民を始めとする福井・関西、全国の市民の安全を軽視することである。核燃料製造事業者アレバ社の要求と救済、そして関電自らの都合を最優先にしたものである。福島原発事故後の民意は脱原発であり、プルトニウム利用などもってのほかだ。

高浜3号の再稼働の目処はまったくたっていない。まさに、使い道のないMOX燃料の輸送である。このような状況でのMOX輸送は、福島原発事故の被災者の気持ちを踏みにじるものであり、福井と関西の人々の安全を脅かすものだ。このMOX燃料輸送の強行に強く抗議する。

2013年4月18日

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