再稼働決定に抗議する共同アピール

2012.6.16

再稼働を止めるのは、まだこれからです
福井県知事と4閣僚が再稼働を決定しても破砕帯の危険性は消えない
大飯原発3・4号の安全性は確認されていない

6月16日、野田首相は大飯3・4号再稼働に関する福井県西川知事の同意を受け、3閣僚との会合で再稼働することを決定しました。私たちはこれに強く抗議します。
大飯原発3・4号の安全性は確認されていません。福井県知事が判断の根拠とした県の安全専門委員会の報告書は、最も重要な安全性問題について判断を示していません。大飯3・4号機の安全性はまだ確認されていないのです。
追いつめられた政府と知事は、安全性を置き去りにして、再稼働の判断を政治的に強行したのです。多くの人々の反対や不安の声を無視しました。福島原発事故の悲惨な実態から目をそむけ、福島の人々の痛みと怒りを踏みにじったのです。
しかし、大飯原発3・4号が実際に稼働するまでには数週間かかります。再稼働を止めるのは、まだこれからです。知事と4閣僚が再稼働を認めても、破砕帯の危険性は消えません。福井と全国の人々が手をたずさえ、再稼働を止めるために一層声を大きくあげていきましょう。

  • 大飯原発の敷地内にある破砕帯が動く可能性を専門家が警告。しかしこれを完全に無視
    破砕帯(断層)が地表のズレを引き起こし、重要な配管を引きちぎる

原発の直下にある破砕帯が活断層として動くと、地盤のズレが起こり、重要な配管や機器に引きちぎるような力が働いて破局的な事態に至ります。敦賀原発で認められたそのような危険性が大飯原発にもあることが専門家によって指摘され、大きな問題になってきました。活断層の上に原発を置くことは許されていないのです。
ところが安全専門委の報告書では、「大飯発電所敷地内の破砕帯については、保安院はバックチェックにおいて、後期更新世以降に活動したものではないと判断している」と、ただ保安院の考えを書いただけです。肝心な調査の必要にさえ何も触れていません。これでどうして大飯3・4号は安全なのでしょう。

  • 制御棒挿入時間は「基準値2.2秒を超えてもいい」とする関電の姿勢を認めるのか
    活断層3連動時に制御棒がまともに降りず、炉心溶融を引き起こす危険

安全専門委の報告書では、「連動を考慮した地震動評価は妥当であると考えている」と書かれているだけです。連動する場合に国が必要とした施設の安全性評価には何も触れていません。それどころか県は、制御棒挿入時間が国の基準値2.2秒を超えても問題ないとの考えを全員協議会で表明しています。これは、関電の言いなりになって、福島事故が示した地震の重大性を軽視する姿勢です。福島事故の後に、基準を無視するようなことが許されていいのでしょうか。安全余裕を切り縮めることが安全性の保証になるのでしょうか。

 私たちはますます声を大きくし、破砕帯の実態調査を国に求めて行きましょう。全国の人々は手をたずさえて、あくまでも大飯原発3・4号の再稼働を止めていきましょう。

2012年6月16日

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