関西電力宛の質問書
5月21日付質問書
英国SMP施設におけるMOX燃料加工について
関西電力(株)社長 森 詳介 様
2010年5月21日
1.SMP施設と関西電力
前記プレスリリースには「このたび、NDAが英国セラフィールドに所有するMOX燃料加工工場(SMP)における将来のMOX燃料加工に関する全体的な枠組みについて合意いたしました。」と書かれています。
- 1999年にBNFL社はMOX燃料加工施設MDFで関西電力MOX燃料の品質保証データに不正を行っています。その後BNFL社、そしてNDAの元で運営されているセラフィールド施設で多くの技術的また「企業文化」の質を疑う問題が起こっています。同じことがSMP施設で行われないことをどのように保証していますか。
- 貴社は1999年、BNFL社から不正があったという報告を受けていてもそれを福井県をはじめ一般に公開せず握りつぶしていたことがその後明らかになりました。この貴社の「企業文化」の問題についてこの10年間以上なんら反省が行われていません。福井県に対しこの問題について詫び、二度とこのようなことが行われないよう具体的に何か示しましたか。
- SMP施設の契約内容ですが、製造における品質データは全て公開させるよう契約する予定ですか。
- 燃料製造工程のスタート(プルトニウムとウラン混合過程)から立ち会える契約にする予定ですか。
- 前記プレスリリースでは、「SMPにおける将来のMOX燃料加工の手配については、諸条件が整った段階で進めていくこととなります。」と書かれていますが、その諸条件であるはずの「地元・地域の皆さまのご理解」を得るのに、具体的にどのように進めるのですか。契約前に行うのですか。
- 貴社が英国で回収したプルトニウムの量は、核分裂性プルトニウムで約1.8トンと公表されています。全プルトニウムではいくらですか。また、小数点以下2桁までの数字ではそれぞれいくらになりますか。
- これらは、何体分のMOX燃料集合体に相当するのですか。
2.SMP施設の改造について
5月13日のプレスレリースでは、「本合意では、SMPにおける将来のMOX燃料加工について、経済性確保のための生産能力向上方策やそれに伴う費用負担、MOX燃料加工を進める上での原則等をNDAとの間で取り決めております。」と書かれています。これについて質問します。
- SMPは年120トンのMOX燃料を加工するよう設計されていたものの、運転開始以来の8年間で、10トンあまりという極少量のMOX燃料しか製造出来ていません。このような技術的に機能しない施設に何故お金を投資し、MOX燃料加工契約を結ぼうとするのですか。
- 今までSMP施設での製造が停滞していた理由は何故で、どうして製造できるようになったのですか。
- ドイツとスイス分の製造が出来たのに、なぜ改造が必要なのですか?
- 貴社は元々のSMP設備をつくる際、及びその後の経過の中で財政的援助はしてきたのですか。
- SMPの現在の生産能力120t/年を何トンまで増やすのですか。
- 改良工事は、製造のどの工程で、どのような改良をするのですか。
- 貴社を含む日本の顧客は、増強改修費用の全額を負担するのですか、それとも一部なのですか。また、負担額はいくらですか。
- 貴社はいくらの負担額をひきうけるのですか。
- 負担額の会計上の費目は何ですか。
- 貴社の負担額をMOX燃料に上乗せすると、コストへの影響はいくらですか。或いは燃料集合体の価格全体の何%相当になりますか。
- NDAのSMPにおけるPWR用MOX燃料製造実績は何体ですか。
(2002年の操業開始から現在までの実績) - 改修工事後、関電のMOX燃料は何時製造開始され、いつまで製造する予定なのですか。何処の原発のどの炉のMOX燃料なのですか。
(回答できる範囲でいいのでお答えください。)
2010年5月21日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
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