「NPT──核拡散防止条約における重要案件:六ヶ所再処理工場」に関するグリーン・アクションの主張

[NPT──核拡散防止条約における重要案件:六ヶ所再処理工場]

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NPT──核拡散防止条約は、核兵器の拡散を止め、原子力技術、核物質が核兵器に利用されるのを防ぐために考え出されたものです。来月5月にその再検討会議が開かれ、核兵器の廃絶か許容の継続か、また、核兵器利用可能物質および核拡散の拡大に関して議論されます。

──六ヵ所村のプルトニウムは実力派

いま、核被爆国である日本が、核の新たな扉を開く先導者になろうとしています。

現在稼働に向けて試験が進められている六ヶ所再処理工場では、年間約8トンのプルトニウムが生産される予定です。これは原爆1000個分程度が毎年作られることを意味します(IAEAの定義)。

一方、核拡散の懸念からウラン濃縮施設および再処理施設の凍結を求める声が高まっています。

核拡散につながる使用済み核燃料の再処理は、いまや世界的に焦点になっています。国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は、新たな再処理施設凍結案まで出していますが、日本政府はいぜん、六ヶ所再処理工場を稼働させようとしています。

──核拡散の旗手になる六ヶ所再処理工場

日本が主張する「IAEAとの協定を守ってきた国だから六ヶ所再処理工場を稼働させることができる」というのは世界的に通用しません。六ヶ所に続いて各国に同様の施設が建てられる場合、核兵器転用可能の物質の商業利用が広がり、核拡散の危険性は際限なくあがります。また、NPTの下で合法的に再処理計画を進め、実行した後に脱退する国が出てくる可能性も発生します。あるいは、施設を持つ国の政府が核武装計画を持たなくても、テロリストによるプルトニウム盗難の可能性があります。

──日本の方向は日本人が決める

それぞれの国が決める政策に対して、他国が及ぼすことができる影響は限られています。それは日本の政策に関しても当てはまります。そうなると、日本の政策にあるべき道をつけることができるのは、日本人だけと言っても過言ではありません。

──大規模核拡散の時代を避けるために

六ヶ所再処理工場が運転に入ってしまえば、それは第二の核時代──大規模核拡散の時代──の幕開けを告げることになるかもしれません。

六ヶ所が動き出せば、核兵器物質の拡散は受け入れられるものであるという実績になり、これは、現在の不安定性に満ちた状況の中、率先して核廃絶を願うはずの日本が世界に発信すべき信号ではありません。

プルトニウム産業は「リスクはない」と謳います。これを鵜呑みにするわけにはいきません。また、いかなる国においても、エネルギーの面でプルトニウムの必要性は示されていないにもかかわらず、プルトニウム産業は、この物質を作り続けようとしています。世界がこれだけ不安定化している状況下、大量破壊兵器の基礎となる物質の拡散を止めることは最優先事項であり、六ヶ所再処理工場はその先行きを決める分岐点となるでしょう。

六ヶ所再処理工場を止めることこそ、核の脅威の拡大を防ぐ大きな一歩となるでしょう。

NPTと六ヶ所再処理工場に関する市民情報

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