再処理工場による青森産・岩手産の食品汚染に関する関西大手スーパーへのアンケート結果の最終報告
2006年5月17日
「微量」でも放射能を含む食材を消費者に提供したくない
対象のスーパーマーケット
関西の大手スーパー20社
アンケートの実施方法と実施期間
- 3月初めに資料を郵送し、3月20日にアンケート実施(メール、FAX、郵便でアンケート用紙を送付)。
- 3月27日に中間報告。4月12日に各社に「中間報告」を送付。同時に、未回答の会社に再度アンケートを依頼。
- 5月16日に最終〆切。
アンケート回収結果
- 20社の内17社から回収 (回収率85%)
17社の内、アンケートに回答 8社
(株)ダイエー、(株)平和堂、(株)万代、(株)ニッショー・ストア、(株)なかむら、(株)サボイ、スター(株)、(株)ヒラマツ - 回答をいただいた8社の回答結果は別紙のとおり。
- 17社の内、「回答できない」と回答 9社
(株)オークワ、(株)コノミヤ、イズミヤ(株)、(株)松源、(株)光洋、マックスバリュ西日本(株)、(株)いそかわ、マルアイ(株)、(株)近商ストア
回答できない理由としては、
「勉強していないため」、「大きな問題なのですぐには対応できない」等。 - 無回答・未回答は3社
(株)関西スーパーマーケット、ライフコーポレーション(株)、(株)マルヤス
8社の回答内容の特徴
(1) 青森県産や岩手県産の食材に関して何らかの対応をしますか[質問1]
- 「今後、仕入れ先、仲買人を通じて問い合わせる」という回答が6社で最も多い。
- 「何も対応していない」は2社。理由は、「認識不足・該当商品の取り扱いが少ない」。また、「購買低下等の影響はないと判断した」を理由に挙げている会社があるが、その会社は、今後は「検討しなければならない」と答えている。
(2) 青森県産や岩手県産の食材に関して、放射能量の測定等を求めるか[質問2]
「今後の対応は検討しなければならない」、「情勢が変化すればその必要も検討する」が6社。
(3) 国内の食材について残留放射能の基準が存在しないことについて[質問3]
「知らない」が4社で、「知っている」の3社を上回っている。国内の食材について「放射能残留基準」がないことそのものが知られていないことを示している。
(4) 青森産と岩手産の食材が放射能で汚染された場合の、食材の取扱いについて[質問4]
- 「汚染があれば取扱い中止」が4社で最も多い。
- 「他の地域のものより安全性の確認を厳しく行う」が1社。
- 「これまでと同じ扱いをする」と回答した会社はない。
(5) 「微量」でも放射能を含む食品を消費者に提供することについて[質問5]
- 「『微量』でも極力取扱いたくない」が5社で最も多い。
- 「再検討する」が2社。
- 「これまでどおり扱う」と回答した会社はない。
(6) その他、電話などでの反応
- チェルノブイリ事故の時は輸入食品の汚染問題があったが、国内産の食材でこのような問題が起きるとは考えてもいなかった。
- 自分たちが扱う商品で、そのような問題が起きるとは正直驚いている。
- 仕入れ先や行政当局(青森県)が責任を持つべきだ。
コメント
- アクティブ試験開始直前・直後という時期にもかかわらず、また、「簡単には回答しにくい」というスーパー側の状況にもかわらず、半数弱の会社が具体的にアンケートに回答してくださった。「食の安全・安心」が大きな社会的関心事となっていることを反映している。
- 今後の対応については、「仕入れ先や仲買人を通じて、放射能汚染の問題を確認していく」という会社がほとんどで、青森県産の食材と放射能汚染の問題について、非常に関心が高いことを示している。既に消費者からは農協などに不安の声が届いているとのことだが、今後は直接の購入者である大手スーパーから同様の声が寄せられると予想される。
- 放射能が「『微量』でも極力取扱いたくない」との回答が最も多い。「微量」でも「これまでどおり扱う」とい会社はなかった。
- 青森県は、「微量」だから問題ないと言っていますが、関西の大手スーパーの対応は違います。スーパーの声に真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか。
- 青森県の農業の発展を考えれば、食材の汚染が実際に明らかになり、スーパーの購入中止が始まる前に、アクティブ試験を止めるべきではないでしょうか。
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
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美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
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