原子力バックエンド事業に対する制度・措置の策定作業の凍結を求めるコスト・プロからの要請書

2004年8月27日

要請書

原子力バックエンド事業に対する制度・措置の策定作業の凍結を要請します。

経済産業省総合資源エネルギー調査会電気事業分科会御中

現在行われている、原子力バックエンド事業に対する制度・措置の策定作業の凍結を要請します。
理由は以下の3点です。

理由1:国民の意見をふたたび無視してはなりません。
貴委員会の中間報告の内容は、一般消費者に巨額の負担を強いるものです。
パブリックコメントに寄せられた疑問や批判に対して、透明性と論理性を持って答える責務があります。これが放棄されるようなことがあってはなりません。
ところが、経済産業省は既に、再処理費用の準備金制度の拡充を税制改正要望に盛り込みました。パブリックコメントが公開される以前であり、かつ国民の意見にもとづく議論が分科会で終了しないうちに、事務方だけで既成事実を重ねることはとうてい許すことはできません。

理由2:原子力政策は大きな進路変更を迫られています。
以下に述べる事態からも明らかなように、原子力政策は現在、抜本的な政策変更を迫られています。先行きの状況がきわめて不安定なこの時期に、かかる案件をこのまま進めるべきでありません。
* 美浜原発で起こった人為的死傷事故により、原発の安全管理のあり方が問い直されています。
* プルサーマル計画がふたたび先行き不透明となっています。
* 青森でコスト試算隠しに対する批判が高まり、六ヶ所再処理工場のウラン試験が延期しています。
* 原子力長計で、再処理をしない方針についての議論が本格化しています。

理由3:原子力の後処理のために、電力会社に対し新たな優遇措置を与え、巨額の負担を消費者に転嫁することは許されません。

上記の理由により、私たちは制度・措置の策定作業の凍結を強く要請いたします。

以上

発信元:コストから原発を考えるプロジェクト
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