原子力規制委員会への要望書:津波波源と基準地震動で二重基準の評価をするのでなく基準地震動でも武村式を適用して再評価してください

原子力規制委員会への要望書

津波波源と基準地震動で二重基準の評価をするのでなく
基準地震動でも武村式を適用して再評価してください

原子力規制委員会委員長 田中俊一 様
原子力規制委員会委員長代理 島邦彦 様

現在、大飯3・4号機等で、基準地震動及び基準津波に関する審査が行われていますが、ご承知のとおり、両者では地震モーメントの算出方法が異なり、いわば二重基準で審査が行われています。安全側に立った一つの基準、すなわち土木学会の基準で審査がなされるよう要望します。
 
この件に関し、12月18日の審査会合において、規制庁の地震・津波安全対策担当の小林安全規制管理官から非常に重要な指摘がなされました。小林安全規制管理官は、9月18日の資料1−4「大飯発電所 基準津波について」の10頁に書かれている「すべり量」の数値2.91mをとり上げて、このような確からしい数値が出されているので、それを基準地震動評価にも適用すべきだとの趣旨を主張されました。このすべり量は、大飯原発の近くにあるFoA−FoB断層が起こす津波波源に関するものですが、その断層は同時に大飯原発の基準地震動のベースにもなっているものです。このとき島崎委員も、どちらも同じ震源だと強調されました。
 
念のために付言しますと、小林安全規制管理官が取り上げたこのすべり量の数値2.91mは地震モーメントから算出されており、地震モーメントに比例しています。その地震モーメントは、津波波源に関しては(一定以上の大きさの場合)武村式によって計算され、基準地震動に関しては入倉・三宅式で計算されています。それゆえ、小林氏の主張は事実上、基準地震動評価においても、武村式を適用すべきだという意味になります。もし、断層面積から地震モーメントを計算する武村式を適用すれば、その結果は入倉・三宅式の値の4.7倍になります。
 
地震と津波はまさに福島原発事故を引き起こした当の原因であり、この本質的な問題で二重基準が放置されたまま原発の再稼働審査が進められるというのは余りにも異常で納得できないことです。

ぜひ、小林氏の主張どおり、基準地震動評価においても武村式を適用して再評価がなされることを強く要望します。

要  望  事  項

1.津波波源と基準地震動で二重基準の評価をするのでなく、基準地震動でも武村式を適用して再評価してください

2013年12月24日

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