共同声明:関電の大飯原発破砕帯調査・評価に異議あり
共同声明
関電の大飯原発破砕帯調査・評価に異議あり
関電任せの調査ではなく、規制委員会の責任でトレンチ掘削等を行うべき
- レンチの破砕帯は、新しい時期の活動を否定できない
新基準に照らし、安全側にたって活断層と認めるべき - 南側トレンチで見つかった破砕帯はF-6なのか?
大飯原発破砕帯調査は大詰めを迎えている。8月19日の第5回評価会合で関電は、新たに掘削した南側トレンチ東端で見つかった破砕帯をF−6と断定し、この破砕帯が23万年前の火山灰を含む地層に変位を与えていない等を根拠に、F−6は活断層ではないと主張した。さらに、会合の最後には、「破砕帯問題について結論が出なければ再稼働のための適合性審査が進まないので、早く結論を出してほしい」「宿題はやるが新しい質問は出ないということでいいか。今回のものが最終ということでいいか」と、早期に結論を出すよう恫喝まがいの発言を行った。
新たに掘削した南側トレンチの破砕帯については、評価会合の各委員とも活動時期が古いことを認め、12〜13万年前以降に活動したものではないと判断している。新聞報道では、このことだけであたかも関電の主張が認められ、F−6破砕帯は活断層ではないと断定されたかのように報じられている。しかし、19日の第5回評価会合では、関電の主張に対して各委員から多くの疑問が出された。これは、関電のずさんな調査と自らに都合のいいデータだけを用いた結論に対し、委員達が納得していないということである。
8月19日の評価会合の議論等を踏まえ、以下に問題点を指摘する。
- 南側トレンチの破砕帯と、山頂トレンチの破砕帯は同じF−6として評価できるのか?
山頂トレンチの破砕帯は、新しい時期の活動を否定できない。 - F−6の連続性について 南側トレンチ東端で見つかった破砕帯はF−6なのか?
- 関電が従来F−6としていたものと、「新たなF−6」は、走行や傾斜などが全く異なったものになっている。関電はその整合性をなんら示していない。
- 関電任せの調査では限界。規制委員会の責任でトレンチ掘削等を行うべき
詳細は、共同声明:関電の大飯原発破砕帯調査・評価に異議あり(PDF)から、
以上のように、第5回評価会合では、関電の過去の調査がずさんであり、新たな調査も300mのトレンチを掘るように求められながら70mと短くしてしまい、自らに都合のいいデータだけでF−6は活断層ではないと強引に結論づけている関電の姿勢に大きな問題があることが浮き彫りとなった。山頂トレンチの破砕帯の活動年代、南側トレンチの西側に破砕帯が存在する可能性等からして、安全側に立てば、耐震Sクラスの非常用取水路の下を通る破砕帯は、「将来活動する可能性のある断層等」と判断されるべきである。
とりわけ規制委員会の責任は重大だ。調査範囲等を関電任せにしている現状では、F−6破砕帯の真の姿を浮かび上がらせることはできない。島委員長代理が当初求めたように、また多くの委員が懸念を表明している南側トレンチ西側の掘削などを実施すべきである。その上で、慎重な調査と評価が行われるべきだ。
2013年8月24日
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