抗議声明:福島原発事故の教訓を省みず 新基準にも適合しない大飯原発3・4号の運転継続は許せない

抗  議  声  明

福島原発事故の教訓を省みず
新基準にも適合しない大飯原発3・4号の運転継続は許せない

「安全文化の欠如」は、関電だけでなく規制委員会も同罪

原子力規制委員会は本日(7月3日)の本会議で、大飯原発の新基準適合性評価について、新基準に適合していないことを認めながら「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」との報告書をまとめた。これによって、大飯原発3・4号の9月定期検査入りまでの運転継続を了承した。私たちは、これに強く抗議する。
福島原発事故の原因もまだ解明されていないのに、大急ぎで運転継続を認めてしまった。

 大飯原発の敷地内破砕帯調査は継続中であり、まだ結論も出ていない。それにも関わらず、この破砕帯調査の問題を評価対象外としてしまった。新基準では、福島原発事故の教訓から地震・津波の基準を厳しくしたとしながら、評価対象外にしてしまった。

 免震事務棟も完成していないのに(完成は2015年)、免震構造でもない1・2号の会議室を代替施設にすることで了解してしまった。地震・津波が襲うのは大飯3・4号だけで、隣接の1・2号は健全だという非現実的な想定による。これも福島原発事故の教訓から離れたものだ。

 基準地震動については、活断層の3連動を踏まえ「3連動の基準地震動」という文言は挿入したが、これまでのように包絡線を引いて安全側に基準地震動を策定するという、福島原発事故以前に行っていたことさえ放棄してしまった。

 事故時の原子炉を止めるための制御棒挿入性については、評価方法がこれまでと変わっていないことを確認しただけで、関電が出した挿入時間(活断層の2連動時に1.88秒、3連動時に1.83秒)については、具体的な評価は行っていない。福島事故前に行ってきた評価プロセスすら行わず、これでどうして、「直ちに安全上の問題がない」といえるのか。

 さらに、津波の評価等々においても、新基準を満たしていないと規制委員会自らが認めている。

会議で島委員は、大飯原発の地下構造について、「もんじゅ」の地下構造を借用した関電に対し、「他の場所の地下構造と同じであるという安易なとらえ方をしているのはびっくりした」と述べながら、運転継続を了承した。
 中村委員は、「関電の安全に対する意識や行動は、合格点には達していない」と関電を批判してみせた。しかし、その言葉は、そっくり規制委員会にお返しする。規制委員会も同罪だ。田中委員長は、「いままでよりは、はるかに安全になった」と曖昧な感想のようなものを述べ、「今後、基準を満たすよう努めてほしい」と、新基準を満たしていないことを自ら吐露した。

 新基準にも適合せず、関電と80回も密室で会合(ヒアリング)を重ねる方法での大飯原発の運転継続は、断じて許されない。今後も、大飯原発の運転停止に向けて、自治体などに働きかけ、運動を強めていこう。
 7月8日からの再稼働に対し、全国的に連携して運動をつくりあげていこう。

2013年7月3日
グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581

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