抗議声明:関西電力は、高浜3号用MOX燃料の輸送を中止せよ
抗議声明
関西電力は、高浜3号用MOX燃料の輸送を中止せよ
関西電力は本日(3月21日)、福島原発事故によって延期されていた高浜3号機用MOX燃料をフランスから輸送すると発表した。輸送開始は4月上旬頃の見込みである。私たちは以下の理由からこれに強く抗議する。
- 福島原発事故は、事故の原因も未だ明らかになっていない。さらに最近の使用済み燃料プールの冷却不能に端的に示されたように、危機的な状況は続いている。
- 高浜3号機の再稼働の目途は全くたっていない。このような中でMOX輸送を開始することは、高浜3号機のプルサーマル実施のための地ならしを意図するものに他ならない。
原発の再稼働に関する新基準は策定中であり、再稼働の申請は、7月の新法施行後になる。防潮堤の完成が再稼働申請の前提であると、3月19日の原子力規制委員会が確認された。高浜3号機の防潮堤完成予定は2015年3月であり、それまでは再稼働の申請さえできない。再稼働できるとは決まっていない。まさに、使い道のないMOX燃料の輸送である。 - 福島原発事故後の民意は脱原発である。プルトニウム利用などもっての他だ。国の政策としてもプルサーマルを含むプルトニウム利用政策について何も議論されていない。使用済みMOX燃料の処分の方法にいたっては何も決まっていない。核のゴミ問題を一層泥沼に引きづり込むものである。
- 日本のプルトニウム輸送に対して、これまで70カ国以上にものぼる国から抗議声明や輸送船の近海通過拒否等の強い抗議が示されてきた。日本政府と電力会社は、これらに対して、一度も誠実な対応を示したことはない。輸送ルート諸国から事前了解を得ることもせず、核輸送の安全性を確認するための環境アセスメント等も行っていない。危険で傲慢なプルトニウム輸送をまた繰り返そうとしている。
- 報道によれば、今回のMOX輸送について関電は、フランス・アレバ社からの強い要請があったと述べている。アレバ社の業績は悪化しており、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の格付けではジャンクボンド一歩手前に当たるBBB-にまで低下している。今回の輸送は、アレバ社のいいなりになって、アレバ社救済を最優先にしたものである。
このような状況でのMOX輸送の発表は、福島原発事故の被災者の気持ちを踏みにじるものであり、福井と関西の人々の安全を脅かすものだ。
MOX輸送計画を撤回するよう強く求める。
2013年3月21日
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