緊急要請書:関西電力が公表したF-6破砕帯(断層)に関する写真では、 活断層かどうかの判断は到底できません
関西電力が公表したF-6破砕帯(断層)に関する写真では、
活断層かどうかの判断は到底できません
F-6破砕帯のトレンチ内の壁面状況を確認する調査の写真は確認できませんでした」(関西電力プレスリリース7月13日)
地震・津波に関する意見聴取会 委員各位
原子力安全・保安院長 深野弘行 様
経済産業大臣 枝野幸男 様
関西電力は、本日(7月13日)、問題となっている大飯原発のF−6破砕帯(断層)に関する写真を公表し、原子力安全・保安院に提出しました。超党派国会議員108名の断層調査を求める緊急要望書や市民の緊急署名などによって、提出せざるをえなくなったと思われます。
しかし、関電が公表した写真からは何も分かりません。
「大飯発電所敷地内のF−6破砕帯に関する写真の提出について」(関電プレス 7月13日)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/0713-2j.html
添付資料:大飯発電所敷地内F−6破砕帯地質調査時の写真
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/07/13/0713_2j_01.pdf
上記の関西電力プレスリリースの中では、
「F-6破砕帯のトレンチ内の壁面状況を確認する調査の写真は確認できませんでしたが、同じ時期に実施していたF-6破砕帯の密度や強度を測定する別の調査の報告書に作業の状況を撮影した写真があり、その写真にF-6破砕帯が写っているものがあったため、本日、その写真を原子力安全・保安院に提出しました」と述べています。
写真を見れば分かるように、また、上記プレスリリースで述べているように、「F-6破砕帯のトレンチ内の壁面状況を確認する調査の写真」ではありません。
写真の多くはトレンチ壁面はブルーシートに覆われており、この写真でF-6が活断層かどうかを判断することなど到底できません。
活断層の専門家である渡辺満久教授(東洋大学・変動地形学)は、関電が公表した写真について「写真は全く役に立ちません。これでは何もわかりません。強いていえば、補強が必要なほど崩れやすい岩盤だということが分かる写真です」とコメントされています。渡辺氏は、活断層かどうかの判断にあたっては「写真を使ってはいけない」と常々述べられています。
この写真は、17日の地震・津波に関する意見聴取会にも提出されるとのことです。関電はプレスリリースで「耐震バックチェックの審査も含め、詳細なスケッチに基づいてそれぞれ問題ないとの評価を得ていることから、F-6破砕帯については、これまでの評価どおり活断層ではないと考えています」と述べています。これまで耐震バックチェックの審議で、活断層の可能性を示唆するトレンチ北側のスケッチ図を隠してきたことについての反省もありません。
このような状況から、残されているのは、現地での掘削調査しかありません。
- 関西電力が公表した、ブルーシートに覆われた写真では、活断層かどうかの判断は到底できません。
そのため、17日の意見聴取会では、大飯原発の破砕帯(F-6)について、現地での掘削調査を決定し、早期に実施されるよう強く求めます。 - 現地での掘削調査等には、F-6断層が活断層である可能性を指摘されている専門家の参加を認めてください。
なお、同日付けで、4団体の要請書を郵送しています。あわせてご覧ください。
下記で見ることができます。
http://www.greenaction-japan.org/modules/wordpress/index.php?p=605
2012年7月13日
グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581
国際環境NGO FoE Japan
東京都豊島区池袋3-30-22-203 TEL:03-6907-7217 FAX:03-6907-7219
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
東京都新宿区神楽坂2-19 銀鈴会館405 共同事務所AIR TEL/FAX:03-5225-7213