福島県飯舘村のセシウム137による土壌汚染レベルの推定:今中哲二氏
チェルノブイリ原発事故の当初の強制移住レベルの2倍以上
1990年にベラルーシ最高会議が決定した強制移住レベルの約6倍
政府は:速やかに住民の避難区域を拡大すること。とりわけ妊婦・乳幼児の避難を。
汚染に関する詳細な情報を公表すること
福島第一原発の事故によって、野菜、原乳、水、土壌が高濃度に、広範囲に汚染されていることが次々と明らかになっている。
23日に文部科学省が発表した、福島県飯舘村のセシウム137による土壌汚染のレベルについて、今中哲二氏(京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ)は、チェルノブイリ事故の強制移住(戻ってこれない)レベルと比べても、極めて高い汚染状況にあり、住民避難が拡大されなければならないと述べた(3月24日)。
- 飯舘村(いいたてむら) 福島第一原発から北西 約40km
- 土壌 セシウム137汚染 163,000Bq/kg
(文部科学省 3月23日発表)
[今中氏の推定方法]
- 文科省が発表した数値は、16万3000Bq/kg。土壌1kg当たりの汚染値になっている。
- サンプリング方法は不明。
- チェルノブイリの汚染と比べるためm2(平方メートル)に換算する簡易な方法として、(チェルノブイリ事故では、土地の表面の汚染レベルを測定。今回の文科省の発表は�当たりのため)
- 表面2cmの土を1m2にまいたとして、体積は20リットル。比重を1とすると、土壌20kgに相当。
- 1m2の土地のセシウム137による汚染 16.3万Bq×20=326万Bq/m2
- チェルノブイリ事故当時(旧ソ連)の強制移住(戻ってこれないという意味)レベル 40キュリー/km2=148万Bq/m2 (1キュリー/km2=3万7千Bq /m2)
- 飯舘村の土壌汚染は、チェルノブイリ事故当時の強制移住の2倍以上の汚染
- その後のベラルーシ等の強制移住基準15キュリー/km2(55万5千Bq/m2)の約6倍にもなる。
今中氏は、飯舘村では高濃度のヨウ素131も確認されており、早急に住民を避難させるべきだと語った。政府は汚染に関する詳細なデータを公開すべきです。
チェルノブイリ事故による移住区域
- 旧ソ連政府の当初の移住区域 40キュリー/km2(148万Bq/m2)
- その後、社会的批判や関心の高まりにより、1990年ベラルーシ最高会議は15キュリー/km2(55万5千Bq/m2)以上の住民15万人を移住させる決議。1991年5月には旧ソ連最高会議も同様の基準を決定。
2011年3月25日
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