フランスCRIIRADコミュニケ「福島原発近辺農作物に微量の放射能検出」(日本語訳)
コミュニケ:
CRIIRAD (Commission de Recherche et d’Information Independantes sur la Radioactivite) — 放射能に関する独立調査 情報委員会
コミュニケ:2011年3月20日9時 (フランス現地時間)
3月20日(日)に フランスのメディアでも「福島第一原発近辺でとれた農作物に微量の放射能が検出された」と話題になりました。汚染のレベルは人体に影響のある量ではないと言っていますが、
その情報は正確ではありません。
食料品(一週間以上前から放射能をかぶってきているホウレンソウ、葉物野菜など)の分析結果がだんだんと出てきています。検査対象はごく一部であるにもかかわらず、時として放射能にかなり汚染されていることがわかります。
- 5歳の子供がヨウ素10000ベクレルを摂取すると年間許容量1ミリシーベルトに達します。2歳未満の子供の場合、約5500ベクレル(15020ベクレル/kgのホウレンソウを366g)で年間許容量に達してしまいます。
- 汚染された食品は撤去されなければなりません(葉物野菜、牛乳、チーズなどが汚染されやすい食品です)。「危険性が無い」
- という事は無いのです。もちろん非常に高い量ではありませんし、ただちに危険があるわけでもありません。現在福島第1原発の高度の放射能の下で働いている方々に比べても、被爆量は格段に少ないでしょう。しかしこれらの数値を見ると、予防策をとる必要があります。汚染された食物摂取による被爆は、空気に含まれる放射性物質の吸入と、その空気に触れることによる被曝、そして汚染された土壌からの被曝にさらに付け足される事になるのですから。
- 3月21日(月)追加情報:茨城県日立市における18日採取のホウレンソウに放射性ヨウ素 131が1kgあたり最高54100ベクレル検出されました。この値では2歳から7歳の子供には184gの摂取で年間許容量1ミリシーベルトに達する事になります。
※CRIIRAD (Commission de Recherche et d’ Information Independantes sur la Radioactivite) —放射能に関する独立調査情報委員会
クリラッド研究所はフランスの独立非営利団体で
—放射能と原子力について知る権利
—放射性物質の危険から身を守る権利
を擁護することを目的としています。
訳者註:クリラッドはチェルノブイリ原子力発電所の問題でフランスの住民が十分な情報を得られなかったために大きな被害をうけたことをきっかけにつくられた民間団体です。現在福島第一原子力発電所の問題でおこる人体へのリスクを「予防の原則」を踏まえて随時分析中です。
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