「もんじゅ」の運転再開に抗議
「もんじゅ」の運転再開に抗議する
原子力機構の情報隠ぺい、安全性軽視の体質は何も変わっていない
原子力研究開発機構(原子力機構)は本日(5月6日)、多くの人々の反対や不安の声を踏みにじり、あの大事故から15年近く止まっていた「もんじゅ」の運転再開を強行した。これによって、いつ起こるとも知れぬ事故の恐怖と隣り合わせの生活を広い範囲の周辺住民は強いられる。生命の安全を侵害するこのような行為に強く抗議する。
運転再開の直前になって、原子力機構の情報隠ぺいと安全性軽視の体質がなんら変わっていないことが改めて明らかになった。
4月26日の深夜に起きたナトリウム漏えい検出器の故障では、故障した検出器は、実は昨年にも同様の故障が起きて取り替えており、さらに、昨年の取り替え時に原因究明を行っていないことが明らかになった。福井県は、4月30日になって原子力機構からこのことを初めて知らされたにもかかわらず、事実を公にすることもなく、原子力安全・保安院の調査に全てを委ねた。
5月3日に原子力機構が出した検出器故障に関する報告書では、昨年の事態について何も触れていない。保安院は隠ぺいしていたことについて責任を問うこともせず、報告書を了承した。運転再開のスケジュールを最優先にして、原子力機構の隠ぺい体質を隠ぺいした。
しかし、今回の検出器の故障は氷山の一角にすぎない。15年近くも運転を停止していた「もんじゅ」では、機器の故障の見落としや、さらには全ての機器を検査できないという事実がある。耐震安全性についても、活断層の抹消や、解析を駆使して機器の耐震性を安全であるかのごとく見せかけている。
「もんじゅ」運転再開にあたって、原子力安全委員会は、少々のことがあっても運転を止めないことを基本姿勢にしている。一度止めれば、二度と立ち上がれないという「恐怖心」からだ。事実、原子力機構は、1種類のナトリウム漏えい検出器が鳴っても炉を止めないと表明し、超危険な運転を開始した。
これらの背景には、鳩山政権の異常なまでの原発・核燃料サイクル推進政策がある。温暖化対策に名を借りて、「もんじゅ」、プルサーマル、老朽原発にむち打つ稼働率アップの危険な運転、さらには原発輸出を「成長戦略」の重要な柱として推し進めようとしている。
福井県知事は、新幹線をはじめとする「地元振興策」と引き替えに、「もんじゅ」の運転再開を了承した。住民の生命の安全と危険な「もんじゅ」運転再開を天秤にかけた。
地元をはじめ周辺住民の生命をもてあそぶ「もんじゅ」の運転再開に抗議する。
「もんじゅ」が大事故を起こす前に、即刻運転を停止するよう強く要求する。
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
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美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580