G8環境大臣サミットへの要請書(日本語訳)提出:「たべたいねん青森 いらんねん再処理」実行委員会

G8環境大臣サミットへの要請書[日本語訳]

G8環境大臣サミットへの要請書[日本語訳]

関西の市民及び消費者団体から
2008年5月24日-26日の神戸におけるG8環境大臣サミットへの要請

太平洋及びアジアの大気に大量の放射能汚染を許しながら、
どのようにして日本は環境問題にリーダーシップを発揮すると言うのでしょうか?

青森県の六ヶ所村で、巨大な使用済み核燃料再処理工場がこの夏にも本稼動しようとしています。

六ヶ所再処理工場から太平洋への放射能の放出は、もしそれが船舶などから海上投棄された場合には、ロンドン条約に違反するものとなります。しかしながら、本来違法な放射能投棄が、法律の抜け穴のため、パイプラインを使っての放出の場合は規制されていません。

また、六ヶ所村から空気中に放出される放射性ガス(クリプトン)は気流に乗って世界中の空へ広がっていきます。

日本政府は、地上から3km先の海底へとのびるパイプラインを通して、年間1.8×1016ベクレルの放射能を太平洋に廃棄することを認めており、それは47,000人の致死量に相当しています。この放射能は海洋で十分に「希釈される」から問題ないというのが政府側の説明です。

六ヶ所再処理工場に対しては、日本政府は国内の核施設には適用している海洋環境に放出する場合の法的な濃度規制を撤廃しました。

日本国内においてこの不当な環境汚染に反対する大きな動きが存在することを、日本政府はG8の環境大臣様へ報告していないかもしれません。日本北部の市町村は六ヶ所再処理工場から海への放射能汚染を規制する法律の立案を国に要請してきました。消費者団体や生活者の協同組合及び漁業組合が取りまとめた六ヶ所再処理工場からの放射能放出反対の要請書には810,000人以上の署名が集まり、本年の2月にそれは日本政府にとどけられました。大手スーパーを対象とした市民団体・消費者団体によるアンケートには、六ヶ所村周辺が放射能汚染された場合、東北の農海産物は仕入れたくない旨の回答が示されています。

放射性物質による海洋汚染に対する各国政府の運動は国際的にも確立されています。OSPAR会議の下、ヨーロッパでは12カ国が英国とフランスの使用済み核燃料再処理工場からの放射能の放出を非難し、2020年までにそれを止めるよう要請しています。

2008年5月25日、大阪において、関西(兵庫、大阪、京都、滋賀、奈良及び和歌山)の市民及び消費者団体は集いを開催し、六ヶ所村の核燃料再処理工場の本稼動中止を要請します。私たち日本の市民は東北の農海産物を放射能汚染から守るべく行動します。

要 請

私たちは、六ヶ所再処理工場から太平洋と世界の大気へ放出される放射能による汚染を認
めないことをG8環境大臣各自様へ要請いたします。

ロンドン条約ですでに違法と定められていることが事実上見逃される現状を違法とする取 り決めを採択していただきますよう、要請いたします。投棄はあくまでも投棄であり、そ れが海上にある船舶から行なわれようと地上からのびるパイプラインを通して行なわれよ うと、海に及ぼす影響に変わりはありません。

2008年5月21日
「たべたいねん青森 いらんねん再処理」実行委員会

【連絡先】
グリーン・アクション
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