「JCO事故を忘れない! ストップ!六ヶ所再処理 原発いらない! 市民の集い」無事終了しました。

2006年9月30日、「JCO事故を忘れない! ストップ!六ヶ所再処理 原発いらない! 市民の集い」が開催されました。JCO臨界被曝事故から7年、この事故の記憶が薄れてしまわないよう、毎年この時期に開催しています。今年も多数のみなさまにお越しいただきました。ありがとうございます。

第1部では、今年も現地の臨界事故被害者の会、事務局長である大泉実成さんにお越しいただき、現在の取り組みをご報告いただきました。

大泉実成さん

水戸地裁では実成さんのご両親が、全被害者を代表し原告となって、JCOとその親会社の住友金属鉱山が周辺地域住民にもたらした健康被害などの加害責任を問う裁判を闘っておられます。

昨年より証人調べが本格化しましたので、その様子を中心にお話しくださいました。法廷でのやりとりは原告側が圧倒しているとのことで、被告の細かな要求に対しても原告側は丁寧に応えているにもかかわらず、被告は反証しようとする姿勢に欠けているとのことでした。

また、医師が原告(実成さんのお母さま)をPTSD(外傷後ストレス障害)だと診断しているにもかかわらず、被告弁護人が原告席にいた本人に対し「そこにいられるのだからPTSDじゃない」と発言するなど被告側の高慢さも紹介されました。お母さまはこの発言に発憤し、かえって元気になられたそうです。

大泉さんは「人びとの関心が高まると、こんなひどいことはなくなってくるので、みなさんのサポートをこれからもよろしくお願いします」とおっしゃっていました。

第2部は、東京海洋大学名誉教授の水口憲哉さんに、六ヶ所再処理工場の放出放射能についてお話しいただきました。水口さんは35年にわたり原発の危険を伝えてこられた方です。

水口憲哉さん

「再処理工場が大量の放射能を毎日海に流していることを国が認めている事実を信じない人びとが多い」ということばが印象的でした。もし仮に、工場の廃液が直接口から入った場合、年間約4万7千人人分の致死量(約35万シーベルト)に相当するという事実を、もっと一般の人びとに伝えていく必要を感じます。なお、お話しいただいた内容は著作「放射能がクラゲとやってくる」(七つ森書館)にもまとめられています。

第3部では、関西労働者安全センターの片岡明彦さんより長尾裁判の経過についてご報告いただきました。原告である長尾光明さんは、東京電力福島第1原発などで働き、被曝が原因で多発性骨髄腫を発症されました。04年1月には、福島県富岡労基署が労災を認定しました。

片岡明彦さん

現在、東京地裁において、東電を相手取り損害賠償を求める裁判を闘っておられます。原発における労働者被曝の実態を究明したいという意気込みを語っていただきました。

なお、第2部の冒頭で予定しておりました、坂本龍一さんからビデオメッセージは、多忙により、どうしてもご都合がつかないということで、坂本龍一さんが別の対談において原発・エネルギー問題について語られた映像を上映させていただきました。メッセージを楽しみにしてきてくださった方々に深くお詫びいたします。

集いの最後に、滋賀県・余呉町で高レベル放射性廃棄物処分場誘致の動きが伝えられていることを受け、臨時に町長宛の要望書を決議しました。要望書は下記からご覧にいただけます。

滋賀県・余呉町長宛:高レベル放射性廃棄物処分場誘致問題に関する要請書

これからも、JCO事故を過去のものとせず、いまなお起こっている出来事として、大泉さんたちの取り組みを関西地域に住む方々と分かちあっていきたいと思います。

グリーン・アクション事務局より

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