関西電力宛:美浜3号機事故の「最終報告書」などに関する質問書

関西電力宛:美浜3号機事故の「最終報告書」などに関する質問書:グリーン・アクション

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美浜3号機事故の「最終報告書」などに関する質問書

関西電力社長 藤 洋作 様

1.事故の責任について

 3月25日、貴社は美浜3号機事故の責任を取るとして藤社長の辞任などを発表しました。しかし、藤社長は、社長を辞めた後も安全管理・事故再発防止の担当役員に就任するとのことです。また秋山会長は、1年間会長職にとどまるとのことです。事故を引き起こした本人が安全管理や再発防止担当になることを含め、事故の責任を巡っては、社会的に不信の声が根強くあります。その状況をふまえ、事故の責任について、改めて質問します。

(1)
美浜3号機事故の責任は、藤社長、秋山会長を含む貴社のトップにあると認めますか。
(2)
3月25日に貴社が発表した「再発防止策の行動計画」では、「行動計画策定にあたり」として以下のような藤社長の言葉が述べられています。「これまでも、私は『安全が何より大切であり・・・』ということを、全社に徹底してきたつもりでおりましたが、それを十分に浸透させることができなかったものと、深く反省いたしております」。 これは、藤社長は安全第一だったが、現場がそうなっていなかったということですか。

2.事故の原因について

(1)
事故の原因として、定検短縮などの経済性最優先の姿勢があったことを認めますか。
(2)
美浜3号機事故を踏まえて、貴社の今年度の「経営計画」では、「新たな安全文化」を築くと記載されています。「新たな安全文化」とは何ですか。これまでと何が違うのか、具体的に示して下さい。
(3)
今年度の「経営効率化計画」でも、「修繕費・諸経費の低減」がうたわれています。今後も、定期検査の短縮や修繕費の削減を行っていくのですか。
(4)
「経営効率化計画」では、「事後保全化の範囲拡大」、「点検周期・工事範囲の見直し」を進めると記載されています。

 [1]「事後保全化」とは、配管や機器にひび割れなどがあってもそのまま使用するということですか。

 [2]「範囲拡大」とは、どのような範囲に拡大するのですか。

 [3]「点検周期の見直し」とは、具体的にどの部位の点検周期をどれくらい延ばすのですか。

 [4]「工事範囲の見直し」とは、具体的にどの機器等のどのような工事範囲を見直すのですか。

3.被災者の早期救出について

(1)
前回の交渉(3月16日)では、事故時の運転操作は被災者救出という観点からも問題はなかったとの解答でした。現在でもそのように評価しているのですか。
(2)
原子力安全・保安院は3月18日の市民との交渉で、主蒸気隔離弁の操作は当直長の判断に任されていたと述べました。当直長はどのような判断でその弁を16時5分まで閉止しなかったのですか。
(3)
前回の交渉で貴社は、16時5分に閉止されるまでその弁は動かなかった可能性もあるとの回答でした。16時5分の前に弁を閉止しようとしても動かなかったのですか。

4.中央制御室への蒸気流入について

(1)
中央制御室への蒸気流入について、なぜ、昨年9月の「中間とりまとめ」に記載しなかったのか理由を説明してください(前回未回答)。
(2)
保安院は「事故直後、保安検査官は制御室に入った」と述べています。その時に保安検査官に報告したのではないですか。
(3)
保安検査官に蒸気流入の事実を伝えたのは、検査官から問われたからなのか、美浜発電所から自発的に話したのか等、具体的な経緯・状況を説明してください。
(4)
他の原発の中央制御室のシールに問題はなかったとのことですが、いつ、どのような形で確認したのですか。

5.リスト漏れの経緯について

 貴社の3月1日付「再発防止報告書」では、事故の約1ヶ月前に見つかった大飯1号での大幅減肉の水平展開として、美浜3号の当該箇所が未点検であったことを確認したとなっています(p12)。

(1)
「若狭支社は、その他部位も含め次回定期検査で追加点検すべき箇所を抽出するよう各発電所に指示した」となっていますが、その指示はいつ出したのですか。指示文書を示してください。
(2)
「美浜発電所は、この指示を受け・・・未点検部位の一部として当該部位を抽出した」となっていますが、美浜発電所は、このことを若狭支社及び本店に報告したのですか。
(3)
「既に、次回定期検査において点検する計画であったことを確認した」となっていますが、この時、当該箇所の余寿命を計算しましたか。
(4)
大飯1号の減肉に関して、貴社が行った水平展開は、[1]同じ玉型弁を使用している大飯2号の同箇所の点検、[2]他の原発の給水系統の配管のチェックでした。破断した配管は復水系統ですが、復水系統もチェックするよう指示したのですか。
(5)
復水系統もチェックするよう指示したのであれば、事故後発表された15箇所の主要点検部位のリスト漏れなども、その時に未点検であると確認していたのですか。
(6)
貴社が美浜3号機の当該部位がリスト漏れ、及び未点検であると知ったのはいつのことですか。

6.配管の検査について

(1)
美浜3号で確認された蒸気発生器ブローダウン水回収管(ステンレス鋼・その他部位)の減肉に関して

 [1]蒸気発生器ブローダウン水回収管45度エルボ部での減肉は、エロージョンなのか、エロージョン・コロージョンなのか調べるとのことでした。減肉の原因を説明してください。

 [2]上記の減肉について、減肉が起こった箇所の温度は240〜275℃だが、流体速度は、急激に減圧しており減速しているため「分からない」。分かり次第、明らかにするとのことでした。流体速度、流体の状態(水系か蒸気系か)を示してください。

(2)
美浜3号で確認されたその他の減肉箇所の他原発への展開について

 [1]美浜3号では「その他部位」で多くの減肉が確認されています。これら減肉が見つかった部位については、他の原発でも肉厚測定等を行うのですか。それぞれの部位について具体的に回答してください。測定等をすぐに行わないのなら、何故か説明してください。

 [2]大飯2号で現在行っている定検で、それらの部位を点検するのですか。

(3)
大飯2号は3月16日から第19回定期検査に入っています。この定検では、保安院が2月18日に出した「暫定指針」が適応されることになります。

 [1]貴社は、未点検部位については今後至近数回の定検で全て検査すると発表していましたが、それは現在も変わりありませんか。

 [2]今回の定検が終了した時点で、「その他部位」が660箇所未点検として残ります。これは全て次回定検で検査するのですか。

 [3]今回の定検で、31箇所の配管を取り替えるとなっています。取り替え理由として「余寿命が短い箇所」と書かれています。この31箇所について、スケルトン番号、測定時期と測定値、最小肉厚と余寿命を示してください。また、31箇所のスケルトン図と点検結果整理票を公開してください。

 [4]今回の定検から、新たに保安院の「暫定指針」を考慮した点(点検対象、点検周期、検査方法など)があれば具体的に示してください。

 

7.事故に関する公開討論会について

 事故の責任を巡って、社会的に不信感が高まっていることから、少なくとも福井と大阪で公開討論会をひらくべきではありませんか。

・・・・・・・・・・・・・・・・

資料公開要求と前回(3月16日)未回答だった点について

  

1.下記資料を公表してください

(1)
電気ケーブルの絶縁抵抗に関する実測値について、公表するかどうか取り扱いについて確認するとのことでした。絶縁抵抗の実測値を全て公表してください。
(2)
美浜3号機の破断した配管部位等の(スケルトン番号102−63と102−64)の点検管理票、点検結果整理票を公表してください。
(3)
美浜3号の102−52、102−59の点検管理票、点検結果整理票を公表してください。
(4)
貴社は3月1日付報告書概要で、破断箇所に関するスケルトン図102を示しています(付番がついていない2003年(平成15)5月時点のものと、付番がついている同年6月時点のもの2枚)。読みとれないため、この2枚のスケルトン図を1枚ずつ公表してください。

2.前回、未回答・再確認するとなったその他の問題について

(1)
配管の肉太りについて

 2月10日付質問書の6番で、配管肉厚が前回測定値より大きくなっている問題について、昨年11月1日の福井県原子力安全専門委員会で回答しているとのことでした。しかし、この日の委員会議事録では、回答は省略されています。そのため、高浜4号で余寿命999.9年と評価されている下記部位について、測定時期、測定最小値、余寿命の履歴を示してください(複数回測定の場合は、測定した全ての数値を示してください)。

  • スケルトン番号504−3 A主蒸気 管台
  • スケルトン番号504−3 A主蒸気 下流管
  • スケルトン番号506−8 C主蒸気管 下流管
  • スケルトン番号514−2 B主蒸気管(C/V内)下流管
(2)
大飯3号の14−4について

 同上質問書の7番について、大飯3号のスケルトン番号14−4部位を取り替えたのかについては確認中であり、また昨年9月18日の福井県原子力安全専門委員会の資料に出ているとのことでした。この部位は取り替えたのですか。9月18日の資料のどこに出ているのか示してください。

(3)
美浜3号の第6高圧給水加熱器ドレン管ウォーミング管直管(157−23、157−62)の減肉に関して

 [1]偏流が起きやすいと推測される上流のエルボ部について肉厚測定を実施したのかどうかを確認するとのことでした。157−23および157−62の上流のエルボ部は測定したのですか。測定しておれば測定値を示してください。測定していない場合はその理由を明らかにしてください。

 [2]上記配管の直管部は取り替えるが、エルボ部まで取り替えるのかどうかは確認するとのことでした。この2箇所のエルボ部は取り替えるのですか。

以上

作成:2005年4月5日

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