2004年3月27日[原子力長期計画]市民参加懇談会アイリーン・美緒子・スミス提出資料
長計はどのように策定されていくべきか、以下に提案させていただきます。
策定委員の人選
- 公正な策定を保証するため、公募による人選を行う。
──原子力利用について「推進」「中立」「反対」それぞれの立場から均等に1/3ずつで構成する。「推進」と「反対」の委員をまず選出し、両者の合意の元で「中立」の委員を選出する。 - 委員は以下の策定プロセスを遵守しなければならない。
- 各委員についてなぜ選ばれたのかを公表する。
参考人
- 参考人の招聘は、策定委員が人選する。
策定プロセス
- プロセス1
- まず、策定委員が現行長計の総括作業を行う。
──その際、現行長計策定時に寄せられた「国民の意見」も参考にする。 - プロセス2
- その上で、策定委員は官僚に対して新たな長計案策定に必要な具体的な指示を行う。
- プロセス3
- 策定委員が必要と認める論点については分科会を設ける。
──分科会のメンバーには利害関係を入れない(利害関係者は参考人として呼ぶ)。
──分科会のメンバーは策定委員が人選する。 - プロセス4
- 中間取りまとめを作成する。
──この段階では、できる限り比較可能な幾通りかの案を併記する。
──この段階で意見交換会を各地で開催すると同時に、意見募集を行う。 - プロセス5
- 意見を取り入れ、さらに審議を行い、最終案を策定する。
──長計案に対し、改めて国民の意見を聞く。 - プロセス6
- 新たな長計として確定。
──採用されなかった意見に対してきちんと理由を明示する。
※ 現行の長計策定では国民の意見を最後に聞き、策定会議では「策定はここまで進んでいるので、今から国民の意見は採り入れられない」となった。
策定内容の審議方法
- 選択肢をすべてリストアップする。
- シナリオ例1:軽水炉(現状維持)+プルサーマル(実施)+高速増殖炉(「もんじゅ」運転再開、実証炉以上は保留)+再処理(実施)。
- シナリオ例2:軽水炉(縮小)+プルサーマル(中止)+高速増殖炉(中止)+再処理(中止)。
- それぞれに対して、以下のような観点から成績をつける。
実現性・安定供給・経済性・環境負荷・持続性・地域のためになる・発展性 ・民主的・平和的・公平性・国際社会への適応性 など。 - どのような情報に基づいて下された判断なのかを明示する。
- それらを国民の批判の目にさらす。
新しい長計の策定にあたって留意すべきこと
- 新しい長計はなるべく評価可能なものとする。
- いわゆるマニフェストの形式を採用し、その評価が行いやすいものとすること。
- 立場をこえて情報を共有する。
- 各シナリオの根底には認識の隔たりがあることを率直に認め、この隔たりを情報の公開、そして、その後の議論で埋める努力をする。
- 議論をするとき、どのような根拠、仮定、観測、計算に基づき得られた情報なのかきちんと公開する。
- 策定プロセスはすべてスタートから公開する。
- インターネット上での公開はもちろん、ネット利用者以外への配慮も必要。
- すべての人選について何故選ばれたかを透明にする。
以上
連絡先
グリーン・アクション〒606-8203
京都市左京区田中関田町22-75-103
(代表:アイリーン・美緒子・スミス)
TEL: 075-701-7223
FAX: 075-702-1952