映画「みえない雲」のご案内

ドイツ児童文学賞、グスタフ・ハイネマン平和賞受賞作品「見えない雲(グードルン・パウゼヴァング [Gudrun Pausewang])が映画化され日本に上陸します。

映画ではドイツの原子力発電所の事故が、80キロ離れた街を襲うという設定になっています。ちなみに福井にある現在運転中の原発12基と京都中心部との距離は約60キロ、大阪の中心部とは90キロなので、とてもリアリティがあります。

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黒い雲が運んできた雨に打たれるハンナ
(c) CLASART “Die Wolke”

シネカノン有楽町で12月30日より上映されます。映画公開期間中、広河隆一さんの写真展「チェルノブイリ 20年の刻印」が同時開催されます(劇場ロビーにてチェルノブイリ事故被災者のための募金箱も設置されるそうです)。みなさん、お客さんとしてのサポート、よろしくお願いします。

関西の上映は、日程は未定ですが、シネカノン神戸での上映が決まっています。
これから広く上映されていってほしい作品です。

12月30日(土)ロードショー
DIE WOLKE
2006年/ドイツ/カラー/ドルビーデジタル/103分

その雲が彼女の運命を瞬時に変えた
極限状況下に生まれた愛の奇跡!!

高校3年生のハンナは、幼い弟ウーリーと母親の3人で暮らすごく普通の女の子。ある日、転校生のエルマーから呼び出され人気のない教室へ行くと、ぎこちない会話の後に突然のキス。しかしそんな幸せな気分も束の間、突然サイレンが激しく鳴り響く。美しい自然に囲まれたのどかな街を襲った大惨事。近郊の原子力発電所で事故が起こり、街はパニックに陥る。「必ず迎えに行く」。ハンナは彼の言葉を信じて待つが、放射能を帯びた雲が迫ってくる。極限状況下で暴徒化した群衆に巻き込まれた彼女は、再びエルマーに会う事ができるのだろうか……。

原作はチェルノブイリ原発事故翌年に発表され、大きなセンセーションを巻き起こし、ドイツ青少年文学賞をはじめ多数受賞したベストセラー小説。爆発事故から20年となる今年3月に公開され、実際に17の稼働中の原発を有するドイツではその評判と衝撃が瞬く間に広がり、二人の切なく美しい愛の奇跡に多くの人が涙した。監督は前作『レボリューション6』のスタイリッシュな映像と音楽で注目を集めたグレゴール・シュニッツラー。今回も効果的なスコアと印象的な挿入歌を使用しながら、しっかりと人間ドラマを描き切っている。主人公を演じるのはドイツ映画界の新鋭パウラ・カレンベルクとフランツ・ディンダ。そのフレッシュで大胆な演技に注目。

監督/グレゴール・シュニッツラー
脚本/マルコ・クロイツペイントナー
原作/グードルン・パウゼヴァング「見えない雲」(小学館刊)
出演/ポーラ・カレンバーグ、フランツ・ディンダ、リッチー・ミュラー

シネカノン有楽町
上映時間=14:50/17:00/19:10(〜21:00)
※12/31(日)の19:10の回は休映、1/1(月・祝)は休館

映画「みえない雲」公式サイト
http://www.mienaikumo.jp/