抗議声明:大飯原発3号機の原子炉起動に断固抗議する!

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抗議声明
大飯原発3号機の原子炉起動に断固抗議する!

関西電力は、本日(3月14日)午後5時に、多くの反対と不安の声を無視して大飯原発3号機の原子炉を起動した。私たちは、これに強く抗議する。安全性も避難計画の実効性もそっちのけで、福井県嶺南地方はもとより京都府・滋賀県北部の30km圏内に暮らす人々、そして琵琶湖を命の水源とする関西1500万人の生命と安全を脅かすこの蛮行を断じて許すことはできない。
私たちは、関電と国が握りつぶしているものを凝視し、反対運動を一層強めていく。

再稼働は関電の経済的利益のためだ。福島原発事故から7年が過ぎたが、未だ8万もの人々が困難な避難生活を強いられ、土壌汚染は深刻なままで故郷に帰ることもできない。子どもや大人に甲状腺がん等が多発し、健康被害は深刻さを増している。福島原発事故をなかったかのように、事故を省みることもなく、大飯原発で炉心溶融が起きても放射能放出率は福島原発事故の千分の1、被ばく線量は平常値より低い毎時0.03マイクロシーベルトだとうそぶき、「避難は不要」と住民を愚弄している。

基準地震動は、専門家の島﨑邦彦氏の警告も無視して過小評価のままだ。北米の地震データを基にした入倉・三宅式を金科玉条としている。日本の地震データを基にした武村式では、地震の規模は4.7倍にもなるが、武村式を批判するために地震動のデータ改ざんまで行っている。

火山灰問題では火山の専門家が、大飯原発で審査に合格した「層厚10cm」は過小評価だと厳しく批判した。規制庁は当の関電に現地調査を行わせ、関電は専門家の見解を覆して、火山灰層厚評価はいまのままでよしとする調査結果を提出した。京都市越畑地区で26cmもの火山灰露頭を確認し、大山生竹火山灰だと認めながら、水の流入等による「再堆積」によるものだと自らの都合に合わせて判断し、火山灰の層厚評価には使えないとしている。関電は、約8万年前に噴火した大山生竹の火山灰露頭を前にして、長い時を経た自然の姿さえも葬り去ろうとしている。これらは「面談」という名の関電と規制庁の密室論議で進めている。

避難計画に実効性はない。国は、高浜原発と大飯原発の同時発災の避難計画は必要だと言いながら未だ作成せず、いつできるかの見通しさえたっていない。大雪や地震などの自然災害と原発事故が重なれば、屋内退避で閉じ込めながら、国も30km圏内自治体も安定ヨウ素剤の事前配布さえ頑なに拒否している。限界集落に近づく地域では避難さえままならず、要援護者の避難の方法を具体化することもなく再稼働を進めている。

私たちは、直ちに大飯原発3号機の再稼働を中止し、5月中旬に予定している大飯原発4号機の再稼働も中止するよう強く求める。福井と関西、そして全国の運動は固く連帯し、再稼働を止めていく決意である。

2018年3月14日

おおい原発止めよう裁判の会
原発なしで暮らしたい宮津の会
避難計画を案ずる関西連絡会
[連絡先団体:グリーン・アクション/原発なしで暮らしたい丹波の会/脱原発はりまアクション/
原発防災を考える兵庫の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)]

この件の連絡先
グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
美浜の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581

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