10月2日:福井県原子力安全専門委員会への要請書
福井県原子力安全専門委員会への要請書
高浜原発3・4号炉の安全性について
福井県原子力安全専門委員のみなさまには、現在、高浜3・4号炉の安全性をいろいろな角度から検証していただいています。
これまで、さまざまな疑問が出されてきましたが、その詰めは行われているのでしょうか。たとえば、端的な一つの問題として、シルトフェンスの放射性物質除去性能があります。関西電力は除去性能は1/2程度だと回答しましたが、外側の測定点の位置を見ると性能判断ができるとは思われません。また、原子力規制庁は抽象的な希望的判断を示しているだけで、具体的な内容を答えていません。この問題では、詰めが不十分な状態にあるのではないでしょうか。
全体的に規制庁は、資料を提示した具体的な回答はしていないのではないでしょうか。
これでは私たち一般市民はとても納得することはできませんが、残念なことに傍聴席ではアともウンともいうことができません。その分、専門委員であるみなさまに私たちの意思を汲んでいただき、疑問点について詰めていただくしかないのです。
下記では、端的な疑問点をピックアップして提示しましたので、ぜひこれらをとり上げて詰めを行っていただくよう、よろしくお願いいたします。今のような状況で高浜3・4号炉が再稼働することがないようにご尽力くださるよう、心から要請いたします。
- 関電も事前対策を想定している汚染水対策が、なぜ運転再開までに審査されないのでしょうか。規制庁の具体的な見解を求めてください。
- 関電や規制庁の回答のままでは、市民はとても納得できません。具体的資料を提示して説明するよう規制庁に求めてください。あるいは、シルトフェンスでは放射能の除去は基本的にできないと、委員会として明確に結論づけてください。
- 使用済燃料ピットの側壁や底が破壊された場合、しかも航空機の衝突で周辺が破壊されたような場合でも、可搬型給水によって燃料を水漬けにすることが可能なのでしょうか。具体的な破壊規模を想定した対処の説明を求めてください。規制庁に対しても資料に基づく見解・説明をぜひ求めてください。
- 使用済燃料の危険性及び行方について現実的にどう考えているのか、目途が立たないのに高浜原発を稼働するのはやめるべきではないかなどについて、関電と規制庁の見解をただしてください。
- 審査ガイド3.2.3で規定する経験式のばらつきは、高浜原発の基準地震動評価でどのように考慮されているのか、考慮されていないとすればそれはなぜかを、ぜひ関電と規制庁に問いただしてください。
- 高浜3・4号の高経年化対策に関する保安規定の認可は、30年目を迎える日までに受けていなければならないのに、すでにその期限は過ぎています。それゆえ、高浜3・4号は高経年化運転を行う資格をすでに失っているのではないかという点について、ぜひ規制庁の具体的な法的説明を求めてください。
- 緊急時対策所及び免震事務棟が運用開始される前に高浜3・4号炉が運転再開されることが決してないよう、貴委員会としての意思を明確にしてください。また、免震事務棟がなぜ「自主的取り組み」で、規制委員会の審査を受けなくてもよいのかについて、規制庁の見解を問いただしてください。
- 高浜3・4号炉のMOX燃料について、ぜひ以下の点を確かめてください。
- 新しい規制体系ではMOX燃料特有の基準値はないこと。以前には審査で参考として扱われたいわゆる1/3MOX報告書は、新しい規制体系やその解釈の中では引用さえされていないこと。
- アレバの要求を受け入れた結果、MOX燃料の不純物規定値はウラン燃料の基準さえ満たさないこと。そのようなMOX燃料は新しい規制体系では使用できないこと。
福井から原発を止める裁判の会/さよなら原発福井ネットワーク/ふるさとを守る高浜・おおいの会/原発設置反対小浜市民の会/プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会/原子力発電に反対する福井県民会議/グリーン・アクション/美浜の会
要請書:福井県原子力安全専門委員会への要請書 高浜原発3・4号炉の安全性について(PDF)
別紙資料:福井要原子力安全専門委員会への要請書・説明図(PDF)