青森県大阪情報センター宛要望書:青森県の安全な食品を守ってください
2006年2月27日
青森県大阪情報センター 御中
今年の冬は格段に寒く、青森県は雪に閉ざされてたいへんだったと思いますが、それでもようやく春の兆しが感じられる候になってきました。貴センターには、青森県の物産や観光などを広げるべく日夜ご努力をされていることと存じます。
私たちはいま、青森県産の食材の行方に、たいへん大きな関心を寄せています。りんご、にんにく、長いも、米、ごぼう、大根などなど、青森県産の食材は全国的に非常に大きなウエイトを占めています。青森県では、消費者のニーズを把握しながら「安全で安心な食材」を全国に供給するべく、三村知事自らが先頭に立たれ「決め手は青森県産」とのキャッチフレーズで、さらに積極的な方策をとろうとされています。
下北半島に開拓民として入り非常な努力をされてきた農業者の方は、ご自分の作物にわが子のような愛情を抱き、その安全な食材を安心して消費者に食べてほしいと強く願っておられます。その保証としてトレーサビリティなどが実行されています。その真情は消費者の気持ちにまさしく通じるものであり、だからこそ私たちもそのような農業がぜひ発展してほしいと心から願っています。青森県の農産物は全国の人々の宝です。
ところがその安全であるはずの食材に、六ヶ所再処理工場から放出される放射能が混ざるようになることを、青森県は今年2月7日に公表しました。その再処理工場では、試験とはいうものの実際の再処理が今年の3月にも始まろうとしています。本格稼動すれば、たとえば米1kgから毎秒90個の放射線が出るようになるとのことです。長いもやにんにくなどの根菜や葉菜に再処理工場製の放射能が入り込み放射線を出すようになると、公表された資料に書かれています。
「安全で安心な食材」をうたう青森県がなぜこのような放射能が混入する事態を許そうとするのでしょうか。私たちは、たとえ微量であったとしても、放射能入りの食材が出回ること自体を強く懸念します。関西の多くの消費者もきっと同じ気持ちだと思いますので、ぜひそのことについて調査してください。
いまならまだ食品に放射能が混ざる事態を防ぐことができます。青森県が再処理工場の試験の実施さえ認めなければ、再処理工場を動かすことはできないからです。
ぜひ私たち、そして関西の他の消費者の気持ちを三村知事に伝えてください。六ヶ所再処理工場の運転を青森県がけっして認めないことを心から要望いたします。
青森県の安全な食品をあくまでも守ってください。
安全食品連絡会
くらしを見つめるひととき
滋賀県環境生活協同組合
日本消費者連盟関西グループ
大阪大学原発を考える会
さらならウラン連絡会
脱原発にがよもぎの会
脱原発へ!関電株主行動の会
みみずの会
大阪大学附属病院看護師労働組合
阪南中央病院労働組合
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
連絡先
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22−75−103
TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
団体からの青森県大阪情報センター宛のメッセージ
- 安全食品連絡会
- 青森の農産物が放射能で汚染されるとみんなが困ります。生産者だけでなく、消費者もです。青森県知事はこのことを良く考えていただき、六ヶ所再処理工場の稼働を認めないで頂きたいです。人ごとではなく、心配しています。
*安全食品連絡会とは:食品の安全性をめぐる16団体から成る連絡会です。 - 脱原発にがよもぎの会
- りんごや昆布は、必ず青森県産のものを選んで買っていますが、再処理工場が稼働したらそれを続けられるか自信がありません。私や夫だけの暮らしになったらあえて放射能入りの食品でも食べざるを得ないかと考えますが、今はまだ息子や娘が学生で同居しているので、食べものには多少気をつかっており、青森産のものを避けざるを得なくなるかも……。勿論、青森に限らず広範囲に汚染は広がるのでしょうね。怖いことです。
- くらしを見つめるひととき
- 青森県に原子力政策がやってきて、居座り続けています。青森の人々の暮らしはどうなりましたか。原発の放射能ごみは日本中から青森に送られ、溜め続けられています。この上に再処理ですか。放射能を固く閉じ込めたはずの防御の壁を自ら壊し、再処理工場全体に強烈な放射能を放し飼い状態にするのですか。青森の人々が代々守ってきた、海は、空は、川は、空気は、大地は、どうなりますか。狭い日本では放射能は海流に乗り、風に運ばれて、そこで育った米や野菜や果物や海産物にも吸収されて、日本中に放射能が循環することになるでしょう。脈々と自然からの恵みを受けることで成り立ってきた私たちの暮らしを一瞬ともいえる時で放射能汚染させてしまう再処理工場を決して受け入れはしないという知恵を私たちは持ちたいと思います。