1月16日 原子力防災指針に関する政府交渉での確認点

30kmは狭すぎる 年20mSvは高すぎる
防災指針・避難基準に福島の現実と市民の声を
原発事故のお手軽対応は許されない

  1. 規制庁は、福島原発事故の避難の実態等について具体的検証は行っていない。
  2. 規制庁は、福島原発事故の避難の実態についての具体的検証や、避難した人々からの聞き取りはしていない。被災者からのヒアリングは復興庁が行う。その結果は、今後の改訂に反映していきたい。


    福島原発事故における避難の実態や避難政策の検証が不可欠であり、被災者からのヒアリング等を十分に行ってから、指針について検討すべきと求めました。

  3. 避難・防災の範囲と、UPZ「概ね30km」は同じではない。
  4. 事務局が示している避難基準は、UPZ(30km)の外側にも及びうる。30kmを超えた地点でも避難が必要な場合もありうるということで準備をしていただくことが重要だと思う。 自治体がUPZ30km を超えて地域防災計画を立てた場合、国としては否定しない。 例えば、新潟県が50km圏内の避難政策を立てた場合、国としては否定しない。

  5. 各自治体の防災計画案は週100mSvを基にしているが、規制庁のOIL基準案と比べると「不十分」。
  6. 各自治体では、規制庁のシミュレーションを基に、週100mSv(1,000μSv/h)で避難計画案が作られている。しかし、規制庁の避難基準案(OIL)は週50mSv(500μSv/h)、年20mSv(20μSv/h)となっているため(注)、週100mSvを基準にした防災計画案では不十分になる。
    注)1月21日に示された最終的な規制庁案は、「毎時」の基準のみを残し、事故直後数時間は 500μSv/h、その後、20μSv/hとなった。

  7. 妊婦、子供の基準はまだ具体的に決まっていない。
  8. 妊婦、子供の避難の基準については、具体的な数値は決まっていない。要介護者を含めて、 1
    早期に避難してもらいたいと述べるにとどまる。妊婦などの具体的基準を作成するかどうかは決まっていない。

  9. OILの基準値では、プルーム通過そのものによる外部被ばくと吸引による影 響は考慮していない。
  10. 規制庁シミュレーション(週100mSv)について
  11. ・各方位の実効線量は、方位ごとに平均値をとっている。そのため、扇形の中心部では平均の数倍になる。
    ・水や食物からの内部被ばくは考慮していない。
    ・「97%値方式」での評価であり、最も被ばくが厳しい 100%値を採用していない。

  12. 規制庁シミュレーション(週100mSv)の「すそ値」(100%値)は公表に向けて検討する。
  13. 各原発の16方位全ての「すそ値」は既に数値はある、各自治体からも公表の要望が来ている。 公表の仕方は検討する。


    規制庁のシミュレーション(週100mSv)は97%値方式になっている。最も被ばくが厳しくなる3%分の数値を排除している。そのため、例えば、大飯原発から30km範囲内に入る福井県 小浜市や若狭町は「被ばく量ゼロ」となってしまっている。これでは、地域防災計画も立てられないため、100%値(最も被ばくが厳しくなる値=「すそ値」)を公表してほしいと要望したことによる。

  14. 規制庁シミュレーション(週規制庁案のOIL 基準である週50mSv、年20mSvについて、各原発毎に、97%値と100%値の場合のそれぞれの地点を示した資料については、公表の方法や時期を検討する。100mSv)の「すそ値」(100%値)は公表に向けて検討する。

2013年1月21日

福島老朽原発を考える会/国際環境団体 FoE Japan/グリーン・アクション/美浜・大飯・高 浜原発に反対する大阪の会