資料:保安院の橋本勉衆議院議員へのレクと、渡辺教授のコメント

資料:保安院の橋本勉衆議院議員へのレクと、渡辺教授のコメント

2012年6月29日、橋本勉衆議院議員は大飯原発破砕帯問題に関して原子力安全・保安院を呼び、レクチャーを受けました(衆議院第一議員会館 橋本勉事務所)。
以下はその時、同席した市民が取ったメモと、このメモに対する渡辺満久教授のコメントです。

■保安院 小林耐震安全審査室室長 御田上席安全審査官

(小林)耐震バックチェックで改めて見たら、やはり古い時代のものだった。
(小林)渡辺先生は、許可のときの北面が、今回資料として付けられていなかったことを問題にしているが、当時と今の先生たちに聞くと、動いた後に堆積していると述べた。だから、古い時代に動いて、新しい時代には動いていない。
確かに(バックチェックの時)出されなかったのは、我々も遺憾だと思っている。保安院は、北面も合わせて判断している(合同Cサブには出さなかったがその後の保安院内部の評価では北面も検討した)。
ページ10、審議会では出さなかったけれど、我々は見ている。

□渡辺満久教授のコメント

上記の「保安院」とは誰のことか? 専門家のいない場で検討したということか?
専門家のいる審査の場には「北面スケッチ」を提示しなかったが、
事務局のなかでは検討したと理解できるが、それでよいのか?
「当時と今の先生」とは誰のことか?
誰かが「古い」と言ったということではなく、どのような根拠で「古い」と判断したのかを説明してほしい。
私は新知見を提示しているつもりはない。
審査が間違っていることを主張している。
いままで、間違いを繰り返してきたのであるから、「保安院は間違わない」ことを前提にされても困る。

■保安院 小林耐震安全審査室室長

(小林)正層になっている、活断層ならレキが回転しているようなものになる。いろいろ合わせて判断している。

□渡辺満久教授のコメント

これについても、同様。
「いろいろ合わせて」の具体的な内容を説明してほしい。
「正層」とは「正断層」のことでしょうか?
そうだとすると、全く間違った見識です。
横ずれ断層など、地表近くでは正断層に見えることは普通のことです。

■保安院 小林耐震安全審査室室長

(小林)写真と原図を家捜しさせている。資料はあるのはあるが・・・

□渡辺満久教授のコメント

きちんと提示してほしい。

■保安院 小林耐震安全審査室室長

(小林)(橋本議員が平成24年5月29日の地震・津波に関する意見聴取会(地震動関係)委員名簿を見せると‥)他にもいます。今泉さんはよく渡辺先生と連絡をとりあっている先生みたいです。

□渡辺満久教授のコメント

今泉さんと私が連絡を取り合っているということはない。
そんなことが伝わると、今泉さんはお怒りになるだろう。

<掘削について>

■保安院 小林耐震安全審査室室長

(小林)(「渡辺先生は一週間くらいでできると言っているが?」という質問に対して)もっと時間がかかると思う。渡辺先生が言っているのは、ボーリングだけだ。しかし、ボーリングは点の方法、ボーリングは限られた情報になる。調査するならトレンチを掘らなければいけない。敦賀の場合ボーリングで予備調査をして、2〜3ヶ月はかかる。(「観察は?」)はい、観察は直ぐ出来る。

□渡辺満久教授のコメント

我々は、「活断層の存否を判断する上で、ボーリング調査は不適切である」と主張している。まったく、理解しておられない。
ボーリングは時間とお金の無駄である。これをやると、1ヶ月以上かかるだろうし、 そもそも実施する意味がない。トレンチ調査が必要なのであり、ボーリングは不要である。
場所はわかっているのであるから、そこを掘ればよい。時間はかからない。

<資料家捜し>

■保安院 小林耐震安全審査室室長

(小林)写真と原図を家捜しさせている。資料はあるのはあるが、もともとの申請の原図。(関電に保安院から頼んだのは)一週間ほど前。浸食されていることについて、この部分だけ水で浸食されたことを確認した元々の図があるはず。7月3日はすべて公開にしておこなう。
(小林)7月3日まで、過去の資料一切合切出してもらう。このような資料一切合切、プラスアルファの資料をすべて公開して審議する。
今家捜ししているが20年前なので、当時の地質コンサルタントにあたって、その上、地層の先生に見てもらって判断してもらおうと思う。PP上の問題があるかもしれないが、(基本的に)すべてオープン。

当日橋本議員に提出された資料については、下記をご覧ください。
https://dl.dropbox.com/u/23151586/120629_ohi_hasaitai.pdf

メモ発行日:2012年7月1日