大飯3・4号の電源車等の配備についての質問書

関電の評価でも斜面の崖崩れで電源車等は使えないのでは?!
電源車等の配備についての質問書

関西電力株式会社 社長 八木誠様

貴社は、全電源喪失時にも電源供給可能な電源車等を配備するとして、大飯3・4号機に各2台の空冷式非常用発電装置を配備しています。しかし、その配備場所の原子炉建屋背面道路は背後が急勾配の斜面であり、地震の際の崖崩れで非常用発電装置が使用不可能になることが心配されます。
現に、4月9日に貴社が公表した「大飯発電所3,4号機におけるさらなる安全性・信頼性向上のための対策の実施計画」では、
「空冷式非常用発電装置については耐震裕度を有する原子炉建屋背後斜面の下に設置されており、地震時にも大規模な斜面の崩落が発生しないことを確認したが、落石防護柵を背後斜面に設置する計画である。[平成24年6月完了予定]
また落石による共通要因故障を回避するため…2台の空冷式非常用発電装置相互の離隔距離を確保するなどの分散配置を計画している。[平成24年10月完了予定]」(p.3)
となっており、地震時の落石等の懸念が表明されています。
4月6日に野田首相ら4閣僚が発表した「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」でも、電源車等については「これら資機材の保管場所は地震・津波の影響を受けないこと」とされています。

  1. おおい町の人の話では、これまでに崖崩れがあったという話も聞かれましたが、雨などの場合も含めて、これまでに落石や崖崩れはありませんでしたか。
  2. 「空冷式非常用発電装置は基準地震動の1.84倍の耐震裕度を有することを確認している」(「大飯発電所3,4号機におけるさらなる安全性・信頼性向上のための対策の実施計画」p.58)となっています。装置を基準地震動の1.84倍で評価をしているのはストレステストの1.8倍という数値に相当すると考えられます。
    他方、「大飯発電所周辺斜面については、基準地震動SS(700gal)による地震動に対して、原子炉施設の安全機能に重大な影響を与えるような崩壊を起こさないことを確認した。」という評価を原子力安全・保安院に提出しています(「平成23年東北地方太平洋沖地震の知見等を踏まえた原子炉施設への地震動及び津波の影響に関する安全性評価のうち大飯発電所周辺斜面の安定性評価結果について」 2月29日)。
  1. 斜面について「原子炉施設の安全機能に重大な影響を与えるような」とは何を指すのですか。原子炉建屋のことですか。
  2. 貴社が2月29日に提出した資料では、A断面の図を見る限り4号炉の原子炉建屋まで崖が来ています。原子炉建屋が無事でも3・4号機背後の斜面すぐそばに配備されている電源車(非常用発電装置)は使えなくなるのではないでしょうか。
    更には勢いのついた土砂に押され、電源車が原子炉建屋を破壊する可能性はないでしょうか。
  3. なぜ斜面の崩壊についても、基準地震動の1.8倍(1260ガル)で評価しないのですか。
    また760ガル(3つの断層の3連動の評価)で評価しないのはなぜですか。
  4. 空冷式非常用発電装置が1.84倍の耐震裕度があるとした根拠は何ですか。

2012年4月10日

提出団体:
NPO地球とともに
(株)よつ葉ホームデリバリー京滋
日本熊森協会滋賀県支部
京都・水俣病を告発する会
脱原発わかやま
コープ自然派京都
毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
脱原発へ!関電株主行動の会
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

連絡先団体:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581