「大飯原発3・4号の再稼働を止めよう! 3・27政府交渉」報告

「大飯原発3・4号の再稼働を止めよう! 3・27政府交渉」報告

「制御棒挿入時間<1.88秒>は関電からきいただけ、正式な報告は受けていない」
「現在の正式な値は、<2.16秒>。評価基準値<2.2秒>は満たさなければならない」
「小浜市では、住民が参加できる説明会を行う」
〜関電の言いなりで安全評価の切り下げは許されない〜

本日、開催された政府交渉において、下記が明らかになりました。

  1. 制御棒の挿入時間の切り下げ(2.16秒→1.88秒)について
    • Ss700ガルに対する大飯3・4号機の制御棒挿入値<2.16秒>は、耐震安全性評価として保安院が2010年に数度の審議を経て了承し、安全委員会が確認した数値である。
    • これに対し、2012年3月13日に安全委員会ストレステスト検討会で提出された「総検第5-3号」(p.7および添付−2)に記載された<1.88秒>は、関西電力が作成した値。正式な報告は受けていない。保安院は検討・評価した値ではない。<1.88秒>は、3月13日の少し前に関電の担当者から保安院の名倉 繁樹・安全審議官に伝えられた。
    • 保安院は、「<2.16秒>は、保安院として審議を経て了承した正式な値である」と述べた。
    • 市民側は、「この<1.88秒>は、関西電力・保安院が、活断層の3連動評価をおこなったとしても許容値2.2秒を満たすために、意図的に安全委員会に提出したもの」と抗議。当該数値が掲載されている箇所を削除し、釈明をすることを要求。
    • 保安院は検討すると回答した。
    • 市民側は、安全委員会に対して、報告を受けていないものを安全委員会の検討会の資料として保安
      院が提出したという事実が明らかになったことを踏まえ、安全委員会として、当該資料の再提出と説明を求めるようにと要請した。
    • 安全委員会は、持ち帰って検討すると回答した。
    • 制御棒の挿入時間が許容値2.2秒を超えたらどうなるか
    • 保安院は、制御棒の挿入時間の評価値が許容値2.2秒を超えないことを確認している、と述べ、許容値を上回れば原発の運転ができない判断をしていることを事実上認めた。

    • 地元了解の範囲について
    • 資源エネルギー庁は、下記のように述べた。
      「地元合意の地元の範囲はまだ決まっていない。福井県とおおい町だけと決まっているわけではない」
      「福井県小浜市では、住民向けの説明会を行う。やり方については市と相談する。」

      市民側は滋賀県や京都府、大阪などの近隣府県でも市民が参加できる説明会を求めた。資源エネルギー庁は、この要望については、上に伝え検討すると答えた。

      原子力安全委員会は、運転再開については、安全協定が結ばれる地域への説明と理解が必要であることを認めた。福島みずほ議員から、説明と理解だけではなく、地元の同意が必要であることを強く求めた。

      宮津市長から要請のあった宮津市民への説明については、東京の保安院から説明に行くことを検討すると回答した。

    • ストレステスト評価について

    安全委員会は、「保安院のプロセスを確認したのであり、安全性の判断は行っていない」と述べた。
    また、「一次評価のみでは不十分で、安全性の評価は一次と二次をあわせなければ出せない」と述べた。

    <政府側出席者>
    資源エネルギー庁 原子力立地・核燃料サイクル産業課係長 吉田利幸
    原子力安全・保安院 耐震安全審査室、上席安全審査官 御田俊一郎
    原子力安全・保安院 原子力安全技術基盤課 企画班長 田口達也
    原子力安全委員会 管理環境課 課長補佐 栗原潔
    原子力安全委員会 審査指針課 安全調査官 柏村博之
    原子力安全委員会 規制調査課 規制調査官 猪俣勝己

    主催団体:
    美浜・高浜・大飯原発に反対する大阪の会(美浜の会)/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)/国際環境NGO FoE Japan(地球の友ジャパン)/国際環境NGOグリーンピース・ジャパン/グリーン・アクション/