関西電力のプルサーマル計画から生じる使用済MOX燃料などに関する福井県への要望書

関西電力のプルサーマル計画から生じる

使用済MOX燃料などに関する福井県への要望書

福井県知事 西川一誠 様

  私たちは、プルサーマルによって生み出される使用済MOX燃料の処理の方策について、未だメドさえたっていない状況の中、関西電力に対し「使用済MOX燃料は福井県に永久に溜まり続けるのですか?」という質問書を提出し、3月11日に大阪市内で交渉を持ちました。

 関電の回答は、「2010年頃から検討が開始される第2再処理工場で再処理される予定であり、それまでの間、原発プールで貯蔵管理する」というものでした。国の計画が遅れた場合にはどうするのか具体的な計画を説明してほしいとの質問に対しても、直接の回答はありませんでした。

 私たちは、このような関電の回答から、このままプルサーマルが実施されれば、使用済MOX燃料は永久に原発プールに溜まり続けることとなり、福井県が核のゴミ捨て場となるという危惧を強くしました。多くの人々が、このままでは核のゴミの泥沼に入り込んでいくという不安を強く感じています。

 前福井県知事は、1999年6月7日に、当時の通産大臣と科技庁長官にプルサーマルに関する「要請書」を出されました。その中では「2010年頃に方針決定される第二再処理工場で使用済MOX燃料を再処理する方針であるが、使用済MOX燃料の処理方針を具体的に明らかにすること」と要請されています。しかし、この要請から10年が経過しようとする現在も、「第二再処理工場」についてはメドさえたたず、計画は大幅に後退しています。

 また、現在関西電力がMOX燃料を製造しているメロックス工場では、3月3日に臨界安全適用の制限値を超えたプルトニウムが施設に持ち込まれました。フランスの規制当局は、アレバ社の安全管理がずさんであるとして国際的な原子力事故尺度であるINESでレベル2の事故と判定しました。1995年の「もんじゅ」事故はレベル1であり、これより深刻な状況だという判断がなされています。

 このような状況を踏まえ、以下を要望します。

要  望  事  項

1.使用済MOX燃料が永久に原発内プールに溜まり続けることは、一層やっかいな核のゴミの泥沼に入り込むことになります。そのため、プルサーマル計画を中止するよう関電に要請してください。

2.BNFL事件にかんがみ、今回のレベル2の事故について国が直接メロックス社を調査するよう要請してください。

2009年4月23日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581