関電宛て:「ふげん」のコンクリート破壊検査の結果──設計基準以下──を受けて 関電の原発のコンクリート劣化検査に関する質問書

2007年2月13日
関西電力社長 森 詳介 様

新型転換炉「ふげん」の原子炉補助建屋コンクリート劣化調査で、6カ所のうち5カ所の強度が設計基準を満たしていないことが明らかになりました。最も強度が低かったヵ所は、設計基準強度の半分以下というものでした。マンションならば到底使用することはできず、取り壊しとなるほどです。

今回の調査は、放射線管理区域外の補助建屋側面のコンクリートをボーリングマシンで掘削して得た試料を破壊して調べるという破壊検査でした。しかし、これまで通常行われている検査は、ハンマーでたたく等の非破壊検査でした。非破壊検査では、「設計基準を満たしている」とされていました。今回の破壊検査の結果は、非破壊検査の信頼性を大きく揺るがすものです。

「ふげん」は24年間運転し、廃炉の作業に入っています。美浜3号機をはじめ30年以上経過した老朽炉では、とりわけコンクリートの劣化が心配されます。原子炉建屋のようなコンクリート構造物は、電気ケーブルや原子炉容器とともに「取り替え不可能」なものです。また、「ふげん」の今回の劣化調査は、放射線管理区域外のコンクリートの調査でしたが、原子炉建屋内の放射線管理区域内は放射線による劣化も懸念されます。

貴社のコンクリート劣化検査について、以下に質問します。

  1. 貴社のコンクリート劣化検査の方法は、ハンマーでたたく等の非破壊検査ですか。
  2. ハンマーでたたく等の非破壊検査の頻度を示してください。
  3. 各原発で、直近に行ったコンクリート非破壊検査の年月日、場所、結果等を示してください。
  4. 今回の「ふげん」の調査結果から、非破壊検査だけでは不十分ではありませんか。
  5. 破壊検査を行ったことはありますか。その場合、原発名、検査年月日、建屋名、検査結果等を示してください。
  6. 建設当時の各原発のコンクリート強度の記録は残っていますか。その場合、各原発の建屋ごとの強度を示してください。
  7. 全ての原発の各建屋で破壊検査を行うべきではありませんか。

2007年2月13日

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