「もんじゅ」を廃炉に──「もんじゅ」を止めたいあなたの声を最高裁へ
「もんじゅ」を廃炉に
- 「もんじゅ」とは
- 「もんじゅ」はふつうの原発とはまったく違う、日本で最初の発電設備を備えた「高速増殖炉」の大型実験炉(原型炉)です。6000億円の巨費を投じて福井県敦賀市白木に建設されました。開発費全体では1.8兆円を越えています。
- 国や事業者が言う安全が信頼できないことを証した「ナトリウム漏れ火災事故」
- 「もんじゅ」は試運転中の1995年12月にナトリウム漏れ火災事故を起こしました。事前の国や事業者の想定では、原発の寿命期間中(40年)に1度も起こらないような稀な事故だとされていましたが、現実には試験運転を開始してまもなく起きました。以来、この原子炉は止まったままの状態が続いています。動燃事業団(現核燃料サイクル開発機構)が事故現場の生々しい映像を隠したことも社会的な問題となりました。
- 住民が起こした「もんじゅを廃炉に」の裁判のゆくえ
- 「もんじゅ」は安全に運転できるとした国の許可は無効だと、地元住民が訴えた訴訟で、名古屋高裁は2003年1月27日、住民の主張を全面的に認め、国に「もんじゅ設置許可の無効」を命じる判決を出しました。これを不服とし国は最高裁へ上告し、2005年3月17日には口頭弁論が開かれました。判決日は追って指定されることになっています。
- 行政の横行は民主主義の否定です
- 高裁が安全審査のやり直しを命じ、いまだ最高裁が係争中であるにもかかわらず、それを無視するかのように福井県は、国(文部科学省/経産省原子力安全・保安院)と事業者(旧動燃改め核燃料サイクル機構)の強い要請もあり、2005年2月6日「もんじゅ」の改造工事着工を認めました。これではまるで三権分裂です。各新聞の社説などでは、これに対する批判が相次いでます。詳しくお知りになりたい方は、下記PDFファイルをダウンロードしてください。
「もんじゅ」計画再開日本各紙疑問の声
『「投資」か「浪費」か、国民的議論必要』(グリーン・アクション発行)
- PDFファイル B4版(169KB)050307_ShasetsuB4.pdf
- PDFファイル A4版(169KB)050307_ShasetsuA4.pdf
いま私たちができること
- あなた様の想いを最高裁へ
「もんじゅ」は大変危険な原発です。大きな事故が起こったら、福井県民を始め、たくさんの尊い命を瞬時にうばってしまい、日本の大半が、ほぼ永久的に人間が住めないところになってしまいます。ぜひ、「もんじゅ」の危険性を認め、国の上告を棄却してもらうよう、あなたの声を最高裁に届けてください。
宛先:〒102−0092 東京都千代田区隼町4−2
最高裁判所第一小法廷
- 「もんじゅを廃炉に」の電子署名をなさりたい方は
大阪枚方の市民団体「ストップ・ザ・もんじゅ」の電子署名サイトへ
「もんじゅ」に関するサイトのリンク
「もんじゅ」について、よりくわしくお知りになりたい方は、下記のサイトが参考になるかと思います。
反対側
- 高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉に:福井県平和環境人権センターによるサイトです。
- ストップ・ザ・もんじゅ:大阪枚方の市民団体で「もんじゅ」を専門に活動しています。
- 原水禁:正式名称は「原水爆禁止日本国民会議」
- フォーラム平和・人権・環境:市民によるフォーラムです。
推進側
- 核燃料サイクル開発機構:「もんじゅ」の事業主体です。
- 原子力安全委員会:原発の安全審査をする国の機関です。
- 「もんじゅ」がひらく未来:文部科学省の委託により(財)大阪科学技術センターが作成しています。
おまけ:「もんじゅ」を憂慮する理由
- プルトニウムはやっぱりやっかい
- 燃料として使われるプルトニウムはウランより遙かに毒性が強いため、事故が起こったとき、被害は通常の原発とくらべて、比較できないほど深刻なものになります。また、高速増殖炉で製造(増殖)されるプルトニウムは超高純度で、核兵器に転用するには最適なプルトニウムです。
- なぜ冷却にナトリウム?
- プルトニウムを増殖させるためには、冷却に水は使えません。そこで液体ナトリウムが使われるのですが、これは空気に触れるだけでも燃えだし、水に触れると爆発的に反応します。
- 暴走しやすい
- 「もんじゅ」は一般の原発で使われる低速中性子の代わりに高速中性子を使うので、制御がむつかしく、ちょっとした異変で燃料溶解や暴走が始まると言われています。ひとたび暴走が始まると、その速度は一般の原発より一桁早く、もはや手がつけられなくなります。
- 浪費のシンボル「もんじゅ」
- 「もんじゅ」に投入された1.8兆円を超える開発費は、私たちの税金と電気料金から拠出されていますが、発電したのはわずか1時間です。「高速増殖炉」はむかし「夢の原子炉」などと呼ばれたこともありますが、いまでは国の原子力計画でも実用化の見通しは示されていません。あまりに膨大な建設費がかかることなどから、実用化はほぼ不可能といわれています。それは、世界の原発先進国が高速増殖炉から手を引いたことからも明らかです。
以上
※このコーナーは、『「もんじゅ」を止めたいあなたの声を最高裁へ』のチラシをもとに作成しています。チラシを発信してる呼びかけ団体は以下の通りです。
- 福井県平和環境人権センター
- 原子力発電に反対する福井県民会議
- 原水禁・平和フォーラム
- 原子力資料情報室
- ストップ・ザ・もんじゅ
連絡先
グリーン・アクション〒606-8203
京都市左京区田中関田町22-75-103
(代表:アイリーン・美緒子・スミス)
TEL: 075-701-7223
FAX: 075-702-1952
※このコーナーは、下記団体による『「もんじゅ」を止めたいあなたの声を最高裁へ』の呼びかけに賛同して作成しました。
福井県平和環境人権センター
原子力発電に反対する福井県民会議
原水禁・平和フォーラム
原子力資料情報室
ストップ・ザ・もんじゅ