要請書 日本原電に対し、技術基準に違反している敦賀2号の配管の即時取替と2次系配管の徹底検査を行うよう指示してください

原子力安全・保安院長 松永和夫 様

運転中の敦賀2号機で、10月15日、タービン建屋1階にある2次系のA低圧給水加熱器ドレンタンク常用水位制御弁付近の配管に貫通亀裂が生じ、冷却水が漏れていたことが明らかになりました。日本原子力発電は、その後、当該配管と他の2系統の配管を隔離し、肉厚測定を行い、その調査結果を発表しています。
http://www.japc.co.jp/news/bn/h16/161018.pdf

貫通亀裂の生じたA系統では、他に必要最小肉厚を下回った測定点が確認されています。レジューサ部の肉厚測定の結果、A系統では、制御弁側の測定最小厚さは2.7ミリ(必要最小厚さ3.8ミリ)、配管側の測定最小厚さは3.0ミリ(必要最小厚さ4.3ミリ)と、激しい減肉が生じていました。また、B系統でも、必要最小肉厚を下回った大幅な減肉が確認されています(弁側測定最小値は3.0ミリ、配管側の測定最小値は3.5ミリ)。C系統では、必要最小肉厚と同じ値にまで減肉した箇所が確認されています。

減肉の原因は、制御弁下流部での乱流によるものと、日本原電は推測しています。美浜3号機と同様の原因です。

このように配管に亀裂が生じたり、法定肉厚を下回った部位があるにもかかわらず、日本原電はこの配管を隔離しただけで、12月中旬の定期検査まで運転を継続し、定検で配管交換などを予定していると発表しています。

なお、今回の亀裂・減肉が起こった部位は、「管理指針」で「その他の系統」に属しています。平成2年の第3回定期検査で肉厚測定を行って以来、10年以上配管の肉厚を測定していません。この10年の間に、急速に減肉が進んだことになります。

貫通亀裂並びに必要最小肉厚を下回っている配管は、国が定める技術基準に違反していることは明らかです。配管等を隔離することで使用さえしなければ問題なしという日本原電の姿勢は、美浜事故で県民の命を失った福井県民並びに国民の不安を全く無視したものです。美浜3号機事故の教訓に立てば、2次系配管に関して、より厳しい安全規制が必要なはずです。早急に、日本原電に対し、技術基準適合命令を出し、配管の取替などを指示するよう要請します。

また、今回亀裂並びに減肉が見つかったことは、他の2次系配管でも同様の激しい減肉が生じている可能性もあります。日本原電は、25日付報告書で、「今後・・・『その他の系統』に分類されている箇所について、点検計画を検討する」としています。今後、点検計画を検討するのではなく、即刻、「その他の系統」の部位を全て徹底して点検すべきです。

要請事項

1.日本原電に対し、敦賀2号機の技術基準に違反している配管を、早急に取り替えるよう指示すること。

2.敦賀2号の2次系配管について、「その他の系統」部位の全てについて肉厚測定を即刻行うよう指示すること。

(次頁の写真は、福井県安全対策課HPより
http://www.atom.pref.fukui.jp/announce/h16/ZZZ-H161015-turu2-trouble.pdf

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