関西電力のプルサーマルに関する福井県への申入書

福井県知事 西川一誠様

関西電力のプルサーマルがまたまた浮上してきましたので、この問題について下記の申し入れを行います。

関電は高浜3・4号機プルサーマルのための新たなMOX燃料製造契約を海外の企業と結びたいとの意向を表明し、4月に前知事にその旨を申し入れています。ご承知のように関電は、これまで二度にわたってMOX燃料の製造契約を結んできましたが、いずれもとん挫しています。一度目は、イギリスBNFL社の品質管理データ不正によって、二度目はフランスCOGEMA社での不明な理由によって、製造したMOX燃料をすべて廃棄にしています。とりわけCOGEMA社の場合には、関電は60億円もの賠償金を電気料金から支払っていますが、これは自分に非のあることを全面的に認めたからに他なりません。しかし、何が原因でそのような事態を招いたのか、いまだに何も明らかにされていないのが実情です。

MOX燃料の製造にはウラン燃料にはない本質的な困難があります。この困難が上記とん挫の基礎にあり、プルサーマルの安全性に対する強い不信感が住民や国民の間に広まっています。

ところが関電は、三度目の正直とばかりに、またまたMOX燃料製造契約をどちらかの企業と、しかも年度内に結びたいというのです。これに対して、7月11日付け福井新聞によれば、7月10日の県会特別委員会において一瀬明宏議員が、契約先の中にデータねつ造事件を起こしたBNFL社を含めていることについて、「県民のイメージとしていかがなものかと思う」と批判しています。ところがこれに対し県の理事者は、「BNFLは英国原子力施設検査局(NII)の指導の下、きちんと改善したと聞いている」と答弁しています。この情報の出所は新聞記事では明らかにされていませんが、この答弁では事実上、あまりにも一方的にBNFL社の信頼性を認めているのではないでしょうか。

ところが最近、BNFL社のMOX燃料製造能力の欠如を示す事実が明らかになりました。BNFL社の新MOX工場(SMP)は、うまく操業できない事態に陥っています。BNFL社は、スイスとドイツ向けのMOX燃料について、COGEMA社に製造を委託せざるを得なかったという事実が、英国の新聞等で報道されています。このように、ライバル会社であるCOGEMA社の支援を仰がなければならないという事態は、事実として契約を結ぶだけの能力・信頼性がBNFL社にはないことを示しているのではないでしょうか。この事実は前記県理事者の答弁の内容がBNFL社の実態を正確に反映していないことを示しています。

このような重要な情報について、貴職は関西電力から報告を受けているのでしょうか。もし何も知らされていないとすれば、貴職や福井県民は、関電にとって都合のよい情報だけしか提供されていないことになります。さらにこのことは、関電のプルサーマル計画に関する情報一般が、公開されていないことをも示しています。

現在プルサーマルを実施できる見通しはありません。刈羽村住民投票の結果は依然として生きており、新潟県はプルサーマル事前了解を白紙に戻しました。福島県知事はプルサーマル事前了解を白紙に戻したばかりでなく、プルサーマルそのものに否定的な見解さえ表明しています。これほどまでに信頼性をなくしたプルサーマルの実施を依然として了解しているのは、いまや貴職だけとなっています。

二度あることは三度あると言いますが、これまで二度の失敗の原因はまだけっして明らかにされているとは言えません。貴職におかれましては、プルサーマルへの不信が住民・国民の間に広く存在しているという現実を踏まえ、後になって禍根を残さぬよう、今の内に、事前了解願いを撤回し、白紙に戻されるよう要請します。

とりあえずは、以下の点について申し入れします。

申し入れ事項

  1. 7月10日県会における理事者の答弁「BNFLはNIIの指導の下、きちんと改善したと聞いている」というこの情報はどこから入手したものか明らかにしてください。
  2. BNFL社がMOX燃料の製造をライバルのCOGEMA社に委託していた事実について、関西電力から説明があったのかどうか明らかにしてください。知らされていなかった場合には、公的な場で事実を明らかにするよう関電に要請してください。
  3. BNFL社が全面的に信頼できると受けとれるような先の県会での理事者答弁について、新たな事実を踏まえて、公的に補足修正してください。
  4. 関電が前回、COGEMA社に60億円もの損害賠償金を電気料金から支払ってまで、なぜこのMOX燃料を廃棄にしなければならなかったのか、その原因・理由とその責任を明らかにするよう関電に申し入れてください。
  5. 高浜3・4号機プルサーマルの事前了解を撤回し、白紙に戻してください。

2003年8月26日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
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以上

作成:2003年8月26日

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