関西電力の輸送容器検査に関する要望書
福井県知事 栗田幸雄 様
ご存知のことと思いますが、フランスにある関西電力のTN-12P(M)型MOX燃料輸送容器に腐食が発見されました。目前に迫っているBNFL社製不正MOX燃料返送に使われる輸送容器はこれと構造が異なるので何も問題はないというのが関西電力の姿勢ですが、私たちはこの理由と姿勢に強い疑問を感じており、6月10日付けで別紙のような要求及び質問書を関西電力に送りました。
貴職におかれましては、不正MOX燃料は一刻も早くイギリスに持ち帰ることを望んでおられることと思います。しかし他方、関西電力のこのような姿勢が許されるならば、それは第1に輸送容器の安全性が保証されないことを意味しています。さらに、このような姿勢は原発のずさんな運転管理一般にも通ずるものではないでしょうか。
同じフランスで腐食の疑いのある輸送容器に対し、東京電力はレジンをはがした検査をしていますが、関西電力はそのような検査はしていません。返送用は構造が異なるとはいうものの、構造や材質に基本的な違いはないはずです。それに、なによりも今回関西電力は、これまですべての輸送容器で行われてきた容器承認を飛ばして、スケジュール優先で輸送を強行しようとしています。これでは、関西電力は不正MOXであれだけ問題になったBNFL社の言いなりではありませんか。そしてかつて、高浜4号MOX燃料にデータ不正ないと頭から決め付ける態度をとり、不正MOX燃料を装荷して福井県の人々を危険にさらそうとした事実と責任については、いまだに何もいっさい認めていないのです。不正MOX燃料の返送によってすべて禊は終わったことにしようとしています。これでは、あいまいな姿勢のまま、再び次のBNFL社との契約及びそれによるMOX燃料の福井県での装荷に向かうことになるでしょう。
原子力に関してこのようなあいまいでずさんな姿勢は許されるべきではないと考えます。今回の返送用輸送容器については、レジンをはがした本格的な検査がなされるよう、貴職におかれましては厳しいご指導を関西電力に対してなされるよう強く要望いたします。
以上
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