関西電力は仏製MOX燃料の製造中止を判断! 発注しなければ120億円の損失はなかった!?

去年12月に関西電力は、フランスのコジェマ社に発注していたMOX燃料の製造を中止すると発表した。その結果、会社には少なくとも60億円の損失が発生するとされているが、関西電力の広報部は「当社の経営責任は一切ない」と断言している。

関電がイギリスのBNFL社に別に発注していたMOX燃料のデータ捏造が発覚したのは1999年の9月だった。調査の結果、関西電力は「データ捏造は高浜3号機用の燃料だけだ」との最終報告を発表したが、その後高浜4号機用の燃料でもデータ捏造が発覚した。

イギリスの件があって、関西電力はコジェマ社における加工を一時中断し、工場の監査を実施したりしたが、結局製造を再開させた。ところが、その後、製造はうまく進まず、二つの集合体に品質不良が見つかった。2000年7月に製造が再び中断された。

2001年12月にようやく関西電力は今回のフランス・コジェマ社でのMOX燃料製造中止を決めた。関電は、その理由を「国の燃料製造検査制度が変更されたので、日本に輸入しても許可されない」からと説明している。しかし、制度変更の際の但し書きに「既に製造中の燃料は例外扱い」とあるので、関西電力と国は「MOX燃料の品質問題を隠すために輸入燃料体検査の法改正を利用したのではないか」との疑問が残る。

一度発注したMOX燃料の製造を中止したため、関西電力が負担しなければならないのは、これまでかかった製造費用と、処分費用(燃料ペレットからのプルトニウム抽出とその後の管理費用)の合計額となる。製造費用は約60億円と予測される。また処分費用も約60億円かかると報道された。(2002年1月16日付の電力時事通信)つまり、最終的な損失額は約120億円にのぼる可能性がある。

私たちは昨年の株主総会で、BNFLだけでなく、コジェマ社とのMOX燃料製造契約もやめるべきだと提案した。しかし、取締役はかたくなにプルサーマルに固執し、私たちの提案に一切耳を傾けなかった。その時点で経済産業省に問い合わせていれば許可が下りないことがすぐにわかったのに一年もの間ぐずぐずとコジェマ社との契約破棄を先延ばしにしてきた。今回の製造中止に伴う120億円(?)損失の責任はひとえに関西電力の取締役にある。

今後、私たちは株主総会に向けて、実際の損失額を極めていくと同時に、取締役の経営責任を問いただしていかなければならない。

以上

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関電株主行動ニュース
No 44号から抜粋