抗議声明:高浜4号の原子炉容器上蓋配管からの放射能漏れ糾弾

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抗議声明
関電の運転最優先のずさんな安全管理がもたらした
高浜4号の原子炉容器上蓋配管からの放射能漏れ糾弾

関電は高浜4号の運転再開を断念せよ
福井と関西の自治体は、運転再開反対を表明すべき

関西電力は、高浜原発4号で8月20日、原子炉容器上蓋の温度計引出管接続部から放射能を含む一次冷却水漏えい事故を起こした。原子炉容器上蓋の配管という最重要機器での事故だ。この事故の原因は明らかになっていない。これにより容器上部を点検していた作業員が被ばくした。関電の運転最優先のずさんな安全管理がもたらした事故を強く糾弾する。

前日19日にも、4号でタービン動補助給水ポンプでの制御油の漏えい事故を起こし、同ポンプが使用不可能の状態に陥った。同ポンプは、主給水系統が停止した時に、原子炉を冷却するための命綱である。関電は原因を、前回(2015年)の点検時にナットを締め付けすぎて、パッキンが損傷したためとしている。関電はただちに原子炉起動の準備を中止し、ボルトの締め付け部分等を総点検すべきであった。

ところが、22日の原子炉起動に間に合わせるため作業を続け、翌20日には、原子炉容器内の冷却水を起動時と同じレベルの高温・高圧(286℃・157気圧)に上げ、その結果、上蓋配管からの放射能漏れ事故まで引き起こしたのだ。

20日の事故で「外部の環境への影響はない」「作業員に限度を超える被ばくはなかった」としているが、流出量、被ばく量を明らかにすべきだ。

関電は高浜4号で、2016年2月の原子炉起動前にも一次冷却水漏えい事故を起こしたが、原因究明も放棄し起動を強行し、直後に原子炉緊急停止事故を起こしている。

今回の2日連続の事故は、関電がいかに運転最優先で、ずさんな安全管理を行っているかを改めて如実に示した。関電に原発を動かす資格は無い。関電は22日の原子炉起動を延期すると発表しているが、運転再開そのものを断念せよ。大飯3・4号も直ちに停止せよ。定検中の高浜3号も動かすな。

福井と関西の自治体は、重要設備での相次ぐ事故を重視し、住民の安全を守るため、今こそ運転再開反対を表明すべきだ。

2018年8月22日 避難計画を案ずる関西連絡会
連絡先団体:グリーン・アクション/原発なしで暮らしたい丹波の会/脱原発はりまアクション/原発防災を考える兵庫の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

この件の連絡先団体:
グリーン・アクション:京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
美浜の会:大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581

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