抗議声明:大飯原発4号機の原子炉起動に断固抗議する!

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関西電力は、本日(5月9日)午後5時に、またも多くの反対と不安の声を無視して大飯原発4号機の原子炉を起動した。3月14日の3号機起動に続く暴挙である。私たちは、これに強く抗議する。安全性も避難計画の実効性もない中で、福井県・京都府・滋賀県の30km圏内はもとより、関西一円住民の生命と安全を脅かす再稼働を断じて許すことはできない。

原子力規制委員会は3月28日、大山生竹火山灰について、関電の調査結果を否定し、国の審査で合格となった大飯・高浜原発の火山灰層厚評価(10cm)は過小であることを認めた。これにより大飯原発4号機は運転許可取り消しとなるべきだ。稼働中の大飯原発3号機、さらに高浜原発3・4号機も同様である。原発を止めて再審査しなければならない。しかし、規制委員会は「急ぐ話でない」として放置している。再稼働ありきのこのような姿勢は許されることではない。

事故が起これば深刻な影響を受ける周辺自治体と住民の声は無視されたままだ。東海第二原発で、はじめてUPZ自治体にも事前了解の権限を認める新安全協定が締結された。滋賀県、京都府のUPZ自治体も同様の権限を求めている。しかし、関電はこれを拒否して再稼働を強行している。

基準地震動は、専門家の島﨑邦彦氏の警告も無視して過小評価のままだ。事実上北米の地震データと整合する入倉・三宅式を金科玉条としている。日本の地震データを基にした武村式では、地震の規模は4.7倍にもなるが、武村式を批判するために地震動のデータ改ざんまでが行われている。

避難計画に実効性はない。高浜原発と大飯原発の同時発災の避難計画は、いつできるかの見通しさえたっていない。大雪や地震などの自然災害と原発事故が重なれば、屋内退避で閉じ込めようとしている。安定ヨウ素剤の事前配布は5km圏内に限られたままだ。限界集落に近づく地域では避難さえままならず、要援護者の避難の方法を具体化することもなく再稼働を進めている。

関電は福島原発事故を省みることもなく、大飯原発で炉心溶融が起きても放射能放出率は福島原発事故の千分の1、被ばく線量は平常値より低い毎時0.03マイクロシーベルトだとうそぶき、「避難は不要」と住民を愚弄している。他方で、福島周辺では子どもや大人に甲状腺がん等が多発し、健康被害は深刻さを増している。しかし国は、帰還困難区域に「復興拠点」を設定し、帰還を強要している。

原発事故を繰り返してはならない。直ちに大飯原発4号機の再稼働を中止するよう強く求める。大飯原発3号機、高浜原発3・4号機も停止すべきだ。これ以上行き場のない使用済燃料を増やすべきではない。福井と関西、全国の運動は固く連帯し、再稼働を止める運動を一層強めていく決意である。

2018年5月9日

おおい原発止めよう裁判の会/原発なしで暮らしたい宮津の会
避難計画を案ずる関西連絡会
[連絡先団体:グリーン・アクション/原発なしで暮らしたい丹波の会/脱原発はりまアクション/原発防災を考える兵庫の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)]

ダウンロード:大飯原発4号機の原子炉起動に断固抗議する!(PDF)
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