1月22日:関西電力宛抗議声明

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抗議声明
関西電力がむつ市へ使用済燃料を搬出する方針であることに強く抗議する
中間貯蔵施設という核のゴミ捨て場をどこにもつくるべきではない

今年1月7日に、関西電力が使用済燃料をむつ市に搬出する方針を固めたことがいっせいに報じられた。関電はただちに、「方針を固めた事実はいっさいありません」とのコメントを出したが、この内容はむしろそのような方針であることを裏付けている。むつ市を自らの核のゴミ捨て場にする行為に強く抗議する。
むつ市の中間貯蔵施設では、使用済燃料が何年滞在するのか定かではない。一応は50年とされているものの、パブコメへの回答の中で原子力規制庁は、検査の結果を見ながらずるずる引き延ばす可能性を認めている。さらに、貯蔵期間が終了した後、使用済燃料はいったいどの施設へ搬出されるのか、何も明らかにされていない。以前に搬出先とされた第2再処理工場は、資源エネルギー庁のサイクル図では搬出先から消えている。
このように、むつ市の中間貯蔵施設は、実際には永久的な核のゴミ捨て場と化すのである。そこへの使用済燃料の搬出は、むつ市民ばかりか広範な人々に不安と被害をもたらすことになる。

関西電力は福井県知事に対し、中間貯蔵施設を福井県外につくること、年内に候補地を公表することを約束した。むつ市はそのための有力な候補のひとつであるに違いない。
そればかりでなく関西電力は、多くの自治体に働きかけてきたことを公表している。たとえば和歌山県の場合、今から30年前までは原発立地の候補地であった。そのため地域共同体の中ばかりか、親子兄弟の間でさえ意見の対立が生じ、人間関係がずたずたにされてきた。それがやっと終わって平穏な30年が過ぎた後、またも使用済燃料中間貯蔵施設という大きな火種が実際に運びこまれようとしている。
もはや核燃料サイクルが破綻しているのは明らかである。中間貯蔵施設をつくることによって原発の運転を継続し、使用済燃料という核のゴミを増やすことはやめるべきである。
福井県知事は、大飯原発の再稼働を認めるための条件のようにして貯蔵施設の県外立地を要求した。しかし、そのような実質的な核のゴミ捨て場をつくる場所などどこにもない。大飯原発の再稼働を止め、さらに高浜原発も停止すれば、中間貯蔵施設をつくる必要もなくなる。再稼働と原発依存継続のための核のゴミ捨て場探しは断じて許されない。
中間貯蔵施設の設置に強く反対する。同時に大飯原発の再稼働に反対し、高浜原発の運転を停止するよう強く要求する。

2018年1月22日 提出団体:福井と関西の14団体

原発設置反対小浜市民の会/ふるさとを守る高浜・おおいの会/避難計画を案ずる関西連絡会/原発なしで暮らしたい丹波の会/原発なしで暮らしたい宮津の会/グリーン・アクション/七番目の星/脱原発はりまアクション/さいなら原発尼崎住民の会/おおい原発止めよう裁判の会/脱原発へ!関電株主行動の会/子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)/脱原発わかやま

連絡先団体
グリーン・アクション:京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
美浜の会:大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581

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