滋賀県への美浜3号の寿命延長と原発事故避難計画に関する質問・要望書

美浜原発3号の寿命延長と原発事故避難計画に関する質問・要望書
琵琶湖に最も近い老朽原発美浜3号は廃炉にすべきと早急に表明してください

滋賀県知事 三日月大造 様

原子力規制委員会は、11月末の寿命延長の認可期限に間に合わせるために、美浜原発3号の審査を急いでいます。原子炉設置変更許可に関する審査書案へのパブリック・コメントでは、基準地震動の過小評価、熊本地震のような複数回の揺れの評価を実施していないこと等々、安全性に対する多数の意見が出されました。しかし、これらにまともに答えることなく、10月5日には設置変更許可を下しました。6月には老朽炉高浜1・2号の寿命延長認可を強行しており、このままでは40年ルールは形骸化し、60年運転が当たり前にされかねません。高浜1・2号の審査対応だった関電職員は、期限に間に合わせるために超過密労働を強いられ、労働基準監督署は、長時間労働による過労が自殺の原因だと認めました。このようなことは断じて許されることではありません。

地震動評価に関しては、島﨑邦彦前原子力規制委員長代理により、現在の評価手法では地震動が過小評価になるとの指摘がなされました。しかし、規制委員会はまともな検討もせず、見直す必要はないとの結論を出しました。
10月12日に発生した東京電力のケーブル火災事故は、ケーブルの経年劣化による絶縁低下が原因だったと推測されています。同様の劣化が原発で起こった場合、火災のみならず、事故時に情報の把握ができず、コントロールもできない恐ろしい事態に陥ることになります。しかし、規制委員会は、美浜3号の電気ケーブルについて「130年使用しても大丈夫」という関電の評価を鵜呑みにしようとしています。

一方、避難計画に関しては、8月27日に、高浜原発事故時の合同防災訓練が行われ、多くの問題が浮き彫りとなりました。安定ヨウ素剤に関しては、配布を簡易問診で済ませたこと、国の服用指示がなかったこと(9月9日の政府交渉で国が服用指示の判断基準をもっていないことが判明[資料1])等の問題がありました。また、滋賀県が指摘されているように、熊本地震を踏まえれば、屋内退避は全く現実的ではありません。現在の避難計画では住民の安全を守れないことは明らかです。
美浜3号は琵琶湖に最も近い原発であり、事故が起これば琵琶湖の水は基準値を超える放射能に汚染され、魚にも長期にわたり基準値を超える放射能汚染が続くとの予測結果を出されています。慎重且つ厳格な審査を求めるにとどまらず、美浜3号は廃炉にすべきと表明してください。

 

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