G8エネルギー大臣への要請書 (日本語訳)提出:「たべたいねん青森 いらんねん」再処理ネットワーク

G8エネルギー大臣への要請書[日本語訳]

 

関西の市民及び消費者団体から
G8エネルギー大臣への要請書[日本語訳]

2008年6月7日ー8日の青森市におけるG8エネルギー大臣会議への要請

国策が、何の成果ももたらさないプルトニウムを基盤とした
核燃料サイクルに何兆円も無駄遣いしているなかで、
どのようにして日本はエネルギー問題に

リーダーシップを発揮すると言うのでしょうか?



青森県の六ヶ所村で、巨大な使用済み核燃料再処理工場が、施設の直下に活断層のあることが日本の新聞の一面に報じられたにも関わらず、この夏にも本稼働しようとしています。

六ヶ所再処理工場は日本の核燃料サイクル計画の一部であり、この計画はアメリカとEuratomとの原子力協定で結ばれており、同時に、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)を通じてカナダ、イタリア、イギリスとも協力関係にあります。

2008年5月21日、私たちはG8環境大臣に対して、六ヶ所再処理工場から太平洋に放出される膨大な放射能に関する要請を届けました。(これらの放出は、それが船舶などから海洋投棄された場合、ロンドン条約においては完全に違法であります。)

私たちはG8エネルギー大臣の皆様に対し、日本がG8国とともに核燃料サイクル協力を推進することを拒否するよう要請します。

日本の核燃料サイクル(プルトニウム)計画は半世紀以上かけて開発されてきました。しかしながら現在、そこからは1キロワットの電力すら発電されていません。高速増殖炉の商業化は8度も延期され、現在「2050年まで」に予定されています。1そのため、六ヶ所再処理工場で抽出されたプルトニウムは現地で備蓄されることになります。日本の原子力委員会の近藤駿介氏は向こう数年間に六ヶ所村にて「数十トンのプルトニウムが貯まる」と認めています。2

日本北部の市町村は六ヶ所再処理工場から海への放射能放出が違法となるような法律の立案を国に要請してきました。消費者団体や生活者の協同組合及び漁業組合がとりまとめた六ヶ所再処理工場からの放射能放出反対の要請書には810,000人以上の署名が集まり、本年の2月にそれは日本政府に届けられました。日本の高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」がある福井県の成人人口の三分の一以上が『「もんじゅ」を二度と動かさないで』と署名をしています。「もんじゅ」は1995年12月にナトリウム漏洩・火災事故のため止まったままになっています。

日本国内におけるこのような大きな動きが存在することを、日本政府はG8のエネルギー大臣の皆様に報告していないかもしれません。3

2008年5月25日、大阪において、関西(兵庫、大阪、京都、滋賀、奈良及び和歌山)の市民ならびに消費者団体は、六ヶ所村の核燃料再処理工場の本稼働中止を求める集会を開催しました。日本の市民は東北の農海産物を放射能汚染から守りたいのです。私たちはこの集会を通じ結ばれたネットワークを代表しています。

要 請


私たちは、日本の核燃料サイクル計画の一部である六ヶ所再処理工場から太平洋と世界の空へ放出される放射能による汚染を強く非難していただくことを、G8エネルギー大臣の皆様に要請いたします。

私たちは、G8国の間で、再処理、増殖炉、プルトニウム利用技術を含む核燃料サイクルに関する協力を拒否することを、次の理由により要請します:これらの計画は貧弱なエネルギー政策であること、環境を汚染すること、核拡散を促進すること、本来省エネルギー、エネルギー効率化、そして再生可能なエネルギーの開発に向けられるべき資金の大きな部分を取り崩すことで、地球温暖化との戦いに深刻な影響を与えること。

2008年6月4日
「たべたいねん青森 いらんねん」再処理ネットワーク
* このネットワークは関西(大阪、兵庫、和歌山、京都、奈良、滋賀の市民ならびに生活協同組合によって構成されています)

連絡先:
「たべたいねん青森 いらんねん再処理」ネットワーク
グリーン・アクション気付
〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75-103 Tel: 075-701-7223 Fax: 075-702-1952

脚注:

1 日本の「原子力政策大綱」

2 六ヶ所再処理工場が計画通り稼働すれば、年間7トンのプルトニウムが抽出されることになります。

3 高速増殖炉計画は現在までに、一兆円ほどの納税者・電力消費者のお金を使っています。再処理オプションを選択し、六ヶ所再処理工場を運転すれば、少なくとも19兆円掛かります。これは再処理を選択しない処分のオプションより大量の資金を使用します。