要望書:関西電力の新MOX製造契約を認めないでください

  • 福井県議会議員 各位様

関西電力は、今年度中にMOX燃料の契約を行い、2007年に高浜原発でプルサーマルを開始したいと表明しました。しかし、製造契約先になると考えられる仏コジェマ社は政府の許可を得ないまま、地震の危険のあるカダラッシュ施設でMOX製造する契約を米国と結びました。また、英BNFL社は会社の存亡すら危ぶまれる状況に陥っています。この資料はこれらMOX製造会社の新しい問題と状況をお伝えするために作成しました。関西電力の新MOX製造契約の可否について貴殿が判断される上で、参考にしていただければ幸いです。

とりわけ、最有力候補であるコジェマ社には、過去にも重大な違法行為が隠されているのではないかと私たちは疑っています。関西電力は1999年にコジェマ社でMOX燃料の製造を開始していましたが、2001年12月、突如「手続き上の問題」を理由に、60億円の賠償金をコジェマ社に支払い、MOX製造を中止しました。この真相は未だに明かにされていませんが、コジェマ社はフランス政府のプルトニウム持ち込み許可のない製造ラインで関西電力向けMOX燃料を製造していた疑いが濃厚です。福井県安全管理協議会においても、この問題は1月に県当局より報告がなされる予定です。

12月1日に福井県知事は、福島県知事及び新潟県知事とともに、総理大臣に宛てて「原子力安全規制体制のあり方の検討等に関する要請書」を提出されました。その中で、「我が国の原子力政策は、今、極めて重大な局面にある。核燃料サイクル政策をはじめこれに関連する再処理問題、バックエンド問題等の諸課題はいずれも不透明性を抱え、これらの政策方針に対する国民的理解は依然として不十分である」との基本認識を示されています。

この認識に立てば、上記諸課題が不透明なままで、プルサーマルの実施だけを認めるというような態度はとられないものと理解します。この点では、プルサーマル承認を白紙に戻した他の2県の知事と同一歩調をとられることを期待します。

貴殿が関西電力の新MOX製造契約に異議を唱えていただけることを切に望みます。

2003年12月4日

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